香港の民主化を求める雨傘運動のリーダーの1人で、日本にも馴染みのある周庭(アグネス・チョウ)さんが、香港警察に逮捕された。逮捕理由は香港国家安全維持法というが、釈然としないというか訳が分からない。この逮捕に欧米を中心に怒りの声が上がっている。結局、アグネスは11日深夜、保釈された。国際世論の力。#FreeAgnes
アグネスたちを守るために声をだそう
新聞社の幹部も逮捕し、言論の府である新聞社に200人の警察官が立ち入ったというから、何をか言わんや。これが習近平中国なんだろう。
人権に国境はない。そして理不尽な暴力や自由への不当な弾圧はどこの国であれ国際社会は大きな声をあげなければならない。これは多くの国家で共通の認識だ。
この厳しい暑さの中、周庭さんらがどんな非人間的な扱いを受けているか。とても心配だが、彼女たちの安全を守るためには、世界の世論が声を上げていくしかない。
中国政府・習近平の目に余る香港民主勢力の弾圧
習近平中国政府の香港への不当な弾圧はますますエスカレートしてきた。
中国政府の意を受けた香港警察は周さんを含め、中国に批判的な論調で知られる新聞の創業者など、合わせて10人を逮捕した。
そして200人もの警察官をりんご新聞社に立ち入らせ、編集作業の妨害をした。
理由は周さんらが香港や中国政府に制裁を科すよう外国に呼びかけたり、こうした活動を支援。外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた疑いーなどとしている。
周さんは先日、有罪判決を受けたばかり
香港の複数のメディアは逮捕者に周庭氏が含まれていると伝えた。周さんの所属した団体はことし6月末に香港国家安全維持法が施行された当日、解散を発表している。
しかし周さんは去年6月、警察本部を包囲するようデモ隊を扇動した罪などに問われて起訴され先日、有罪判決を言い渡されたばかり。年末に量刑が示されるが収監が心配されていた。
判決後、アグネスは『自由と民主主義のために闘っていく』と力強く話した。
米国などは日本の対中政策と親中派に疑念も
今回の事態に日本政府の声があまりにも小さい。官房長官が『遺憾』だけではどうしようもない。
最近、米国ワシントンDCの有力シンクタンクが公表した「日本における中国の影響力」で、安倍首相の対中姿勢に大きな影響を与えてきた人物として、自民党の二階俊博幹事長、さらに首相補佐官の今井尚哉氏が名指しされている。とくに二階派は『二階・今井派』などと揶揄された。
政府は習近平を国賓で招くなど寝ぼけたことを言う前に、米国などの日本の対中疑念を払拭するためにも、中国政府の香港民主勢力弾圧に、もっと大きな批判と怒りの声を出すべきなのは、言うまでもない。
もりもとなおき