京都大学iPS細胞研究所の研究費支援打ち切りが、首相補佐官と女性官僚の不倫スキャンダルのおかげかどうか、支援の継続が決まった。スキャンダル隠しかどうか知らないが、結果オーライ。文春砲、大したもんだ。

不倫出張はiPS研究費支援の打ち切り通告だった?
『私たちは官僚の方にお金をもらってる訳じゃない』ー。
週刊文春の取材に怒りを抑えながら答えた京都大学iPS研究所所長、山中伸弥教授のこのひとことが、不倫カップルとして文春砲が炸裂した首相補佐官和泉洋一(66)厚生労働省大臣官房審議官大坪寛子(52)両氏の無礼な来訪を物語っているんじゃないだろうか。
和泉、大坪両氏が不倫をしようが、この熟年カップルがどこへ旅行しようが、知ったことではない。自由だ。
しかし一番、問題にしなければならないのは、世界が期待しているiPS細胞の研究費支援を打ち切るという極めて重大なことを、公じゃなく、密室で通告したことだ。それも不倫出張で。
お口"あ〜ん"と恋愛成就の神社参拝が公務出張とは聞いて呆れる
今回、上司・部下の不倫カップルがわざわざ京都へ出向いたのは、何だったのか。京大iPS研究所、山中教授を訪ねた公務ということになっている。
しかし甘味喫茶でお口あ〜んとか、恋愛成就の神社参拝に、仲良く手を組んで行った写真をみたら、不倫出張じゃないかと言われても仕方ない。

文春から

今後、注視しなければならないのは、iPSへの研究費支援の行方だ。この研究費は山中教授の2012年のノーベル生理学・医学賞受賞を受け、文部科学省が以降10年間にわたって長期的に研究費を助成する方針を掲げた経緯がある。
大坪氏は山中教授に対し『私の一存で研究費支援などどうにでもなる』とまで、言い切ったようだ。
果たしてこんな重大な話しが、不倫カップルが京都を訪ね、通告するようなことで済むはずはない。
何故、2人がiPS予算を打ち切ろうとしたのか、究明を
この研究の恩恵をこれから受けるであろう世界の多くの人々にとって、研究費の打ち切りは大きな問題だ。
今後、政府は研究費を打ち切ろうとした背景をきちんと説明すべきだろう。
山中教授はスターだから民間からの寄付が豊富に見込まれるからとの見方もあるが、これは大間違い。今の段階からこの研究をヒモ付きにしてどうする。
しかし何故、この研究の支援が一時は打ち切られかかったのか、明らかにする必要はあるだろう。
和泉・大坪の不倫騒動のおかげ?iPS研究の支援継続は決定
ところでここにきて、政府は、京都大学が進める再生医療用iPS細胞(人工多能性幹細胞)の備蓄事業への支援継続を大筋で決めた。
11月に山中伸弥教授が開いた会見で、支援の打ち切りや支援額の減額といった案が政府内にあることが表面化したが、当初の予定通り2022年度まで支援は継続される。
研究を取り巻くいろんな背景はあるようだが、今回の文春報道が良い形で方向を変えたのかも知れない。
まあ、安倍首相や菅官房長官の威を借りて、威張り散らしていた和泉氏と、同氏の寵愛を受け引き上げられた大坪氏の不倫騒動は、iPS研究費にとっては、結果オーライだったようだ。
もりもと なおき