国家のトップとしての考え方や決断を聞きたい国民にとって、残念という感想しかない。TBS・news23に出演(録画)した菅首相は、星浩、小川彩佳両キャスターのインタビューを受けたがずいぶんと元気もなく、自信も覇気も感じられなかった。

あまりに自信のない受け答えは残念だった
10月の所信表明の夜、NHKのニュースウォッチ9に登場した時は、有馬嘉男キャスターからの気に食わない質問には、机まで叩き不快感を露わにしたものだが…支持率の急降下はここまで自信を喪失させるものなのか。
この感染拡大の中、Go Toトラベルの一時停止だけでなく、さらに緊急事態宣言を出すべきとの声も広がっている。
この点について星キャスターに質された菅首相は『先般も(分科会の)尾身先生はまだそこまではないと、仰った』と。
そして『やはり尾身会長を中心にそうしたことについては相談をさせていただきながら対策を行っている』と、述べた。


コロナが最重要課題としながら、何でも尾身さんが…では
インタビューでは終始、総理大臣としての明確な意見を述べることをしなかった。そして国民の重大な関心事、緊急事態宣言については、否定的な考えを示したが、これも尾身会長の言葉を引用してのものだった。
少し驚いた。なぜ自身のことばではっきりと示さないのだろう。尾身先生が…尾身会長が…これではコロナ対策は分科会の尾身会長が全ての責任を負っているかのような印象しかなかった。
その尾身会長だってずいぶんと政府に遠慮し気を遣い、本心を述べていないように国民は感じているのだ。
なぜ総理としての考え方と決断を国民に示さないのか
政治家が学者や専門家の意見を拝聴するのは、自身が決断するためのあくまで参考意見や助言だろう。
それを助言者の意見を前面に出し、ご自分の考えや決断を明確に示すことをしないのは、あまりに卑怯で無責任だ。
これまでもGo Toの一時中止に踏み切ることができない理由としても、専門家会議の『必ずしも旅行で感染が拡大する訳ではない』をいつまでも引用したていた。
国家のトップは自身のことばで国民に語れ。ペーパーをみながらボソボソ話しはいらない。
もりもとなおき