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国民のコンセンサスなき決定が多すぎる安倍政権。水道民営化しかり

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水、空気、安全はタダだった日本、今は昔

われわれ世代は日本は水と空気と安全はタダと教えられて育った。
しかし水道事業へのインフラ整備と過疎地の人口減少で一人当たりの負担は増え、住んでる町によっては4〜5倍の差ができるなど、家系を圧迫している。
また空気は高度経済成長期のような公害垂れ流し企業はほとんどないし、自動車の排ガス規制も厳しくなった。ところが!東京電力福島第一原発の未曾有の事故で、広い地域に渡り排出する放射能にビクビクして暮らさなければならない。
さらに世界一を誇った治安もいまは世界で第10位。都市によったら決して安全とはいえなくなっている。

あっという間に成立、"水道民営化法案"

そして突然、降って湧いた水道民営化の議論。あっと言うまに臨時国会の衆院本会議において、与党などの賛成多数で改正水道法が成立した。公共施設の運営権を民間企業に一定期間売却する「コンセッション方式」の導入を自治体の水道事業でも促進することになる。
今後、水道事業を担う自治体は、民営化が1つの選択肢となった訳だ。

 

国民は大半が知らなかったぞ。いつのまに⁈

今回、国会の議論の中で、水道民営化を推進する内閣府の担当部局に、フランス水道事業ヴェオリア社の関係者が出向していることが判明。
国会では水道事業を特定の外資系企業に譲り渡すことにつながる法案を認めるわけにはいかないと、問題視された。

また、水質低下に加え、料金が異常に高騰。民営化後、再公営化した失敗例が海外では33ヶ国、267もの自治体に上っていることも指摘された。これに対し、厚労省は失敗例を3件しか調査していなかった。

野党やメディアはこうした理由を挙げ、国民の生活を脅かしかねないと批判したが、政府はなぜか強行裁決で押し切ったから、嫌な思いはくすぶっている。
そもそも安倍政権がこの法案を提出したのは2017年の通常国会だった。一度廃案になり、18年の通常国会では継続審議になっていた。
そして何故かこの臨時国会終盤になって様々な問題点が明らかに。あっという間に強行裁決の流れとなってしまった。

 

国民議論なき重要法案の決定、多過ぎないか⁈

とにかく今の政権は国民のコンセンサスどころか国民議論のない中で、突然、国会で議論になり、あれよあれよという間に決まってしまうことが多すぎる。

国会での重要課題についての委員会審議時間の短かさ、強行裁決が普通の状態になってきたような気がする。
野党の手緩さ、マスメディアの怠慢と問題意識も手伝って、ますます酷い方向に向かっている。

大きな流れの中で、水道の民営化だけは大いに疑問だ。早くも宮城県村井知事のようなおっちょこちょいが賛意を示したようだが、全国の自治体、議会には慎重な対応を望みたい。

民営化の背景

高度成長期から整備が広がってきた水道管。2016年度時点で全国の約15%が耐用年数の40年を過ぎ、漏水なども多発している。耐震強度が不足した施設も多い。
そうした老朽施設の取り換えや耐震化の費用が膨らみ、自治体の事業経営を圧迫している。人口減少で水道使用量も減り続け、採算が取れる料金収入を確保できない地域も急速に増えている。そうした中、政府が打ち出したのが「コンセッション方式による官民連携」だった

もりもと なおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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