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地元で最強だった徳島新聞事件報道も今は昔の寂しさ

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地元新聞の事件記者としての私の誇りは、朝日、毎日、読売の本紙(社会面)で抜かれたことがなかったことだ。これが先輩からの揺るぎない伝統だったし、そのための努力は怠らなかった。私の後の連中も死守してくれているものだと信じていたのだが…

"事件のとくしん"を不動にした2人(故人)不肖私がその記者魂と手法を引き継ぎ、さらに途中まではバトンタッチしたのだが…

大惨事にならないのが不思議な放火事件だった

先月、徳島市の雑居ビルで、ご当地アイドルグループのライブの途中、放火事件があった。
極めて悪質であり、ガソリンを撒いて放火したところなど36人の犠牲者が出た『京アニ事件』を彷彿とさせるようだった。

関係者の機転で現場にいた70人は速やかに避難し無事だったが、かなりの量のガソリンがまかれており、一歩間違えれば大惨事となっていたかもしれない。

事件記者なら京アニの真似と、ピンとくるはずだ

犯人の無職岡田茂容疑者(38)は、10日後にスピード逮捕となったが、私は彼を見てどうも京アニの被疑者とオーバーラップした。
そして模倣性が高いのではとの事件記者の勘が働いた。

そんなわけで逮捕後、容疑者の動機を徳島新聞が報道するのを注視していたのだが、一向に紙面に出ない。
被疑者は直ぐに放火を自供したから、恐らく捜査員はその時点で京アニの模倣であることを感じていただろう。

事件担当は毎日、この県警本部に詰める

重要で不可欠の続報を読売の若い記者に抜かれてどうする

しかし勾留期限が迫りながらやはり徳島新聞には一向に動機の記事が出ない。少しイライラしていたところ何と読売が9日朝刊社会面で"容疑者 京アニ事件まねた"と報道した。
地元紙徳島新聞はまんまと抜かれてしまったのだ。情けな!

この事件は犯人逮捕はもちろんだが、動機が重要だ。徳島新聞の現場の記者諸君は毎日、気にならなかったのかと思う。

そして部長やデスクは毎日でも『あれどないなっとるんや⁈』と現場に聞くのが常識だ。議論をすればこうした続報につながるのだ。
読売の支局の若い記者はずっと気にしていたのだ。

事件報道は全てのニュースの基本であり、紙面全てに影響

記者はもっと神経質になるべきなんだ。先輩も私も県警本部の1課、2課がいる間は帰らなかったし、地検の三席の部屋に灯りがついていたら、気になって仕方なかった。

ロートルが煩わしいことを言うかもしれないが、後輩諸君の奮起を促したい。でないと今はなき『ターさん』『じゅんちゃん』に私が怒られるのだ。

事件取材は全ての基本だ。"事件に強いとくしん"を守るということは、徳島新聞の紙面全ての価値に繋がるのだ。

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

morimoto_ naoki72

森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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