スキャンダルもどこ吹く風の安定した支持率だが…
これだけスキャンダルや不祥事が相次いでも、大手メディアの世論調査では安倍政権の支持率は45〜50%を推移しているのに驚かされる。
以前なら内閣が吹き飛び、自民党総裁・総理大臣の首がすげ代わっているような危機は何度もあったがビクともしていない。
ガクッと下がっても、半月もしたらまた持ち直している。不思議に安倍一強は続いている。
他に適当な人がいない
しかし支持の理由は『ほかに適当な人がいない』が常にトップなど、ひじょうに心もとない。
これは安倍政権下の自民党より、野党が全く信頼されていないことを意味する。
そして逆に支持しない理由は『首相の人柄が信頼できない』が常にトップ。
これは世論調査的にはひじょうに厳しい声だ。決して今の安倍政権が安泰でないことを意味する。
地方で一強に陰り?福島県では支持しないは54%にも
これら世論調査は全て全国紙、通信社、東京のキー局のものだ。
各社微妙に差はあるが、傾向は大差はない。
ところがどうも地方新聞などが行う県単位の世論調査は、大手メディアのものと大きく異なる結果が出てきた。
一昨年も確か高知県だったか、一時内閣支持率が20%台という、安倍政権にとって厳しい結果がでた。
そして今度は先日の福島県の福島民報などの世論調査にも衝撃を受けた。
なんと内閣支持率はわずか30.3%(前回9月に比べ11.1%減)しかなく、支持しないは53.9%(同13.6%増)にも達した。男の支持しないは57.8%もいた。
所詮、地方の局地的なものなのか。あるいは全国各地で同じような地鳴りが起きつつあるのか。
グラフは福島民報より

基本、世論調査は当たることが多い
世論調査は当たるのか?との声がある。地方メディアにいた経験から言うと基本、当たる。しかし同じ数字でもシチュエーションによって全く違う結果が出ることも多い。
即ち、小選挙区制度は二代政党による政権選択選挙だ。政権に相対する野党がそれなりの構えを見せなければ、有権者は世論調査で野党を選べないのは当たり前だ。止むを得ず自民党か支持政党無しを選択する。
つまり今はここ。どう見ても政権を奪取する構えもできていない野党各党を、有権者の多くは世論調査で選ぶことはできない。必然的に立憲民主や国民民主の支持率は哀れなものになっている。

敵失に頼らず野党自らが価値を高めることが支持率上げる基本
つまり政権選択選挙に相応しい塊を作り、仮想首班をつくり、キチンとした政権構想を立ち上げれば自ずと安倍政権並びに自民党の支持率は下降するのは必然だ。
もちろん、敵失だけではダメだ。野党が自身の価値を高めることが選挙・戦いの基本であることを改めて自覚すべき。
だから自民党は今の安定した支持率に安心してはならないし、野党各党も全く絶望することはない。
有権者に呆れられる前に、自民党と戦える大きな党を立ち上げるしかない。100がゼロに、ゼロが100になるのが小選挙区制度であることを忘れてはならない。
もりもと なおき