昔、NZクライストチャーチで見たオールブラックスの勇姿
昔、ニュージーランド・クライストチャーチ市に滞在した時、ニュージーランドの誇りオールブラックスの選手たちが公園でジョギングしているのを幸運にも生で見ることができた。
一緒に歩いていたホームステイ先のオヤジが興奮し、自慢したことか。
ナショナルチーム・オールブラックスは、ニュージーランドの国家そのものじゃないかと、思った。
なぜ人口わずか450万人の国でこんなに強いナショナルチームが存在するんだろうか。
その時、思ったのはニュージーランド=英国系白人が多数のイメージがあったが、メンバーにはいろんな皮膚の色の選手がいたことだ。
ハカでひとつになる多民族チームは互いにリスペクトし合う
イギリス発祥のラグビーが、さらにニュージーランドでハイレベルに育ったのはもちろん、集まった多彩な民族の存在にも強さの秘密がある。
ニュージーランドの先住民マオリ族の血を引くものあれば、太平洋の島々の国、トンガやサモア、フィージーからやってきた人たちも選手に多い。
そして子どもたちは親がどこの国の出身であろうが、みんな幼少からラグビーに親しみ将来、オールブラックスの一員になることを目指す。
そして有名なオールブラックスが試合まえに披露するハカは、元々、戦いの前、勇気を奮い立たせるマオリ族の踊りだ。
当時、小学校を訪問した時、子どもたちが披露してくれた。

ラグビー人気の高まりと日本で開催する意義と意味
わが国ではラグビーのスタートが遅い上、少子化の中、高校ラグビーは維持するのが難しいとのニュースを聞いたことがある。
野球はもちろんサッカーへ流れる子どもたちが多い中、1チーム15人もいるラグビー部の存続はなかなか難しいようだ。
その日本ラグビーにとって今回のワールドカップ日本開催は、かなりの追い風になるだろう。例えにわかファンでも何よりみんなが興味を持つことが大きい。
なぜ強いオールブラックス、その理由を私たちは今こそ理解しよう
学生時代、早稲田のラグビー部の連中はとても眩しく見えた。当時、スポーツ推薦が大半の野球部などと違い、推薦枠の少ないラグビー部は一般入試で大学に合格し、ラグビー部へ入部した学生が多かった。
それが厳しい練習とチームワークで、大型チームで一回りもふた回りもカラダのデカい明治や同志社を撃破するから、痛快だった。
後にラグビー日本代表監督となり、住友銀行の専務にまでなった宿沢広朗、あるいは外交官となり出張先のイラクで銃撃を受け殉職した奥克彦などは、まさに早稲田ラグビーの輝かしい象徴だ。

そして改めて考えたいのはオールブラックスがなぜ強いのか。
それはいろんな民族やいろんな人間が練習やゲームを通じて互いがリスペクトしているからだと、オールブラックスのメンバーが語っていた。
One for All,All for One.
ひとりはみんなのために、
みんなはひとりのために。
もりもと なおき