四国電力伊方原発は恐ろしい話しが次々、出てくる。先月25日に約10秒間、電源喪失が起こったことが報告されたが、この事故に伴い、3号機の核燃料プールの冷却が43分間も停止していたことが分かった。

先日の電源喪失に伴う重大なトラブルだが、なぜ今⁈
共同通信などの取材に四電が答えたと伝えているが、電源喪失の際、わかっていたことではないのか?
四国電力はなぜこのトラブルについては記者発表しなかったのか。
地元、愛媛県にも報告したのだろうか。
この冷却停止でプールの水温は電源喪失前の33.0度から34.1度に上昇したという。四電は"規定の上限は65度なので、安全性に問題無い"としているが、問題は1.1度だけ水温が上昇したことではない。
10秒間の電源喪失に伴い43分間もの長時間、冷却停止となったことが問題ではないんだろうか。
核燃料の保存は完璧な冷却しかない
3号機のプールでは、プルサーマル発電で使用したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を含む1504体が保管されていた。
今だに思い出すのは、東京電力福島第一原発の事故で、原子炉に冷却水を注入しても、なかなか水温が下がらなかったり、突然、上昇したことだ。ニュースを聞く度、どれだけ多くの人を不安に陥れたか。
重大なトラブルの中で派生した重大なトラブルだ
四国電力伊方原発は、広島高裁で3号機の運転の差し止めの仮処分が命じられているが、この半月で3件もの信じられない重大なトラブルが相次いでいる。
ひとつは先月12日、定期点検中の3号機で核燃料を原子炉から取り出す作業の準備中、核分裂反応を抑える48体の制御棒のうち1本を誤って引き上げるという重大なミスだった。
さらにその1週間後の20日にも、プールに保管中の燃料を点検用ラックに入れる際、ラックの枠に乗り上げるトラブルがあった。
そして25日の電源喪失の事故。
本当に再稼働なんて本来、議論する以前の問題だ。
もりもと なおき