本を全く読まない大学生が半数以上もいることに驚き
あるデータを見て愕然とした。毎日の読書時間がゼロという大学生が53%もいることに驚いた。スマホを使う時間が増えているのはもちろんだが、それと読書時間はほとんど関係はないというから、本を読むという発想がそもそも無くなってきたのかも知れない。
名門書店も相当、経営は悪化してきたという。
フランス文学に傾倒した中学時代
自分を振り返ると10代〜20代は本はよく読んだ。家に世界文学全集や日本文学全集の類いがたくさんがあったので、中学時代から読んだ。
家にあったものと同じ河出書房の文学全集
中学生なのにパルザックやヴィクトル・ユーゴー、アレクサンドル・デュマ、フローベール、スタンダール、エミール・ゾラ、モーパッサンなど19世紀のフランス文学が好きだった。文学的にはかなり早熟だったのかも知れない。
大学も仏文科に行きたかったが、オヤジの『悪くはないが文学部は就職がない』のことばが妙に引っかかり、文学部は1つも受験しなかった。
今思うと早稲田の第二文学部くらい行って、お約束通り中退してたら、もう少し人生に潔さができたんじゃないかと、思う。
学生時代はもっぱら本が景品にあった高田馬場駅前のパチンコ屋に寄り、勝ったら大江健三郎全集、開高健全集、高橋和巳全集などを揃えた。
パチンコでとった大江健三郎全集
書店経営は困難になるはずだ
元に戻るが、今の大学生は読む学生でも1日平均は23.6分。本好きの平均は51.5分もあり、これは微増傾向。読む人、読まない人の二極化が進んでいるようだ。
当然、書店は苦戦を強いられている。街の本屋さんはほとんど見かけなくなったし、紀伊国屋書店など大手さえ一部店舗を閉めたり。学生時代、毎日通った芳林堂書店は破産に追い込まれた。
先日は有名な青山ブックセンター六本木店が、惜しまれながら40年の歴史に幕を閉じたことが、ニュースで報じられていた。
本を読むということ
本を読む、買うということは知的見栄でもあると考える。学生時代はそれぞれのアパートを友人たちと行き来したが、まず相手の本棚を観察した。自分ではまず理解できない難しい本をたくさん持ってるヤツにはなんとなくコンプレックスを感じたり。
逆に友人に見栄を張りたいため、読みもしない難解な本を買って自分の本棚に並べたりもした。以前、仲の良かった県庁の医務職員と話した時、彼も学生時代、同じことをしていたことを知り、2人で笑った。
本を読まない大学生が増えているのは、日本の教育の危機でもある。文科省は受験制度をごちゃごちゃいじる前に、小学生から読書の習慣をつくる教育を、政策として進むるべきだと考える。
スポーツを観戦し、良い音楽を聴いて心から感動するように、読書も同じ感動がある。たまには文学作品に触れるのも、心の栄養になると思います。
もりもと なおき