覇を競った3大キャバレーの時代
全国チェーンのキャバレーと言えばハワイ、ロンドンと並びハリウッドだった。そのハリウッドがこの30日、最後の2店舗が閉店、58年の歴史に幕を閉じる。
学生時代、バイトのカネが思ったよりたくさん入ったら、友だちとキャバレーに繰り出すこともあった。
大学の卒業式の日、最後はなぜか歌舞伎町のハワイに皆んなで乗り込み、大騒ぎして別れたことを思い出す。
これらキャバレーは昭和40年代、50年代が全盛期。サラリーマンたちのオアシスだった。この三大チェーンがライバルだったと思う。
ハリウッドは1960年創業。オーナーの福富太郎氏は豊富な人脈、"キャバレー太郎"として有名で、テレビでも大活躍していた。
銀座に1000坪、ホステス800人の超巨大店が話題になった。
立地場所でエッチ度異なり…
若い僕らがどの店に入るかは、イコールどの店が一番エッチ度が高いかというだけの判断だった。
そういう意味では有名人、福富さんがオーナーのハリウッドよりも、ハワイやロンドンが上だった。
面白いのは立地場所によりエッチ度はかなり違ったような。渋谷より新宿歌舞伎町であり、歌舞伎町より錦糸町、錦糸町より船橋、大宮という具合だった。
エッチな店といっても、誤解なきよう。その後乱立し、卑猥でハードなサービスを売りにしたいわゆるピンクサロンなどと違い、会話中心のおとなしいものだった。
託児所完備の店も
女性は東北や信越地方出身が多く、年齢幅が広かったように思う。お国訛りも素朴だった。
バツイチで子連れの女性も多かったから、託児所つきの店舗もあったから、働き易かったようだ。
友人にハワイに勤める歳上の女性と同棲を始めたヤツがおり、みんなで羨ましがったのを覚えている。
平成最後の年の瀬に、昭和の灯りも消えていく。
もりもと なおき