『反対』の勝利は無党派層と女性の声…大阪都構想
選挙で女性と無党派の力はやはり絶大だと実感した大阪の住民投票の結果だった(選挙ではなく住民投票だが)
もちろん反対派は薄氷の勝利であり、表向きは女性や無党派がどちらに投票したかはわからない。しかし時事通信社の出口調査の分析で、この傾向があまりにもはっきりと出ていた。
女性や無党派層に大きな人気を誇る吉村知事を持ってしても、維新の野望である都構想は女性と無党派の声に打ち砕かれたようだ。

賛成・維新、反対・共産の結束の固さはさすが
出口調査の支持政党調べによると、『支持政党無し』の無党派層は30%あまりいたが、この内反対に投じた人はなんと61%にも及んだ。
そして女性は59%もが反対だった。
この2つで完全に勝負あったといえるだろう。
因みに男は賛成58%だったが、妻を賛成に同調してもらうことができない家庭が大半だったのだろう。
支持政党別では27%が支持し第一党だった維新は93%が賛成で、さすがの結束ぶりだった。
一方、反対派の中心、支持率25%の自民党は反対56%に対し賛成は44%にも及び、賛否が大きく別れた。
同じく反対派の立憲民主党は85%、共産党は98%が反対票を入れ、きっちりとまとまった。

維新の大誤算…公明支持層は党利党略に流されず
そして注目されたのは公明党だ。前回は反対に全力を挙げながら、今回はお家の事情で賛成に回った。
結果、賛成は僅かに37%しかなく63%もの人が反対票を入れた。
維新と激しく敵対していた前回は明確に党として"反対"を掲げ、自民党とともに住民投票を戦った。
しかしながら今回は公明党と維新の衆院選に絡む取引で賛成に転じたことに対し、支持団体の創価学会からも公明党の党利党略にかなりの反発があると言われていた。
これがはっきりと数字に出たようだ。
こうした結果を見ると、やはり1対1(賛成か反対か)の戦いは無党派層と女性が大きなカギを握るのは間違いない。
これは小選挙区制のもとの衆院選にもそっくり当てはまる。
もりもとなおき