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夫以外からの人工授精、存亡の危機。提供者守る法整備を急ぐべきだ

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70年の歴史の慶応病院は休止状態

学生時代、慶応大学病院で人工授精をしているのは知っていた。
友人らとアルバイトで精子提供とかないかな?などと話したことがある。

しかし情報通の友人から精子提供者は"頭脳明晰・運動神経が抜群・男前・背が高い"など、なかなか条件は厳しく、提供者には誰でもなれないと聞き、"幻のアルバイト"となった。
もっともそんなバイトがあったか否かも定かではない。

日本で初めて、1948年から慶応大学病院で行われてきた人工授精が事実上の休止となっている。
出自を知る権利意識の高まりから精子提供者(ドナー)が腰を引き、精子の確保が難しくなってきたためという。

慶応大学病院

一時は年間3800件、半数が慶応病院

夫の精子で妊娠できなかった夫婦が、やむを得ず他人の精子を使う人工受精(AID)は精子を直接、子宮に注入するため簡単にできるが、妊娠率はわずか5%程度という。

全国12カ所の登録施設で2016年は3814件行われ、うち慶応が1952件と半数を占めた。

これまでも同病院はプライバシー保護などを理由に、提供を受ける夫婦や生まれた子どもに、一貫してドナーの情報を非公表としてきた。これが関係者全ての約束事だった。

出自を知る権利から提供者が減少

しかし近年、海外で出自を知る権利が認められてきた状況から昨年、慶応でもドナーの同意書の内容を変えたという。これを見たらやはり、後々のトラブルが心配になる。

それは

匿名性を守る考えは変わらないが、生まれた子が情報開示を求める訴えを起こし、裁判所から開示を命じられると公表の可能性がある旨を明記。
日本はAIDで生まれた子の父親が、育てた男性かドナーのどちらなのかを明確に決めた法律がないため、扶養義務など法的トラブルが起こりうる。

 

必要な夫婦のために、法の整備を

こうなるとドナーは精子提供を躊躇するのは仕方ない。私も嫌だ。
そして一昨年11月以降は新たにドナーを確保できなくなり昨年8月、提供を希望する夫婦の新規受け入れを中止したとか。

同病院は同じドナーの精子で生まれる子が10人に達した時点で、そのドナーの精子は使わなかった。

慶応病院のようにきちんとした医療機関は、これまでも良い精子を提供してきた筈だ。
しかし最近は子どもが欲しい夫婦にネットで提供を呼びかける人もいるとか。

よほど慎重にしないと後々、とんでもない問題が起こるような気がする。

きちんと法整備をして、子どもが必要な夫婦には提供できるようにするべきだ。

もりもと なおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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