このニュースは衝撃だった。出生までに胎児が女児とわかった段階で中絶などされ、生まれてくることができなかった女の子は、この5年間でなんと640万人にものぼるという。性の選別が行われているのだ。
世界で1.4億人もの女児が生まれることができなかった
累計だと1億4000万人にも及び、世界では中国とインドに集中している。
女児はいらないという性の選別、究極の性差別だろう。
女性差別をなくすための対策を続ける国連人口基金(UNFPA)の『世界人口白書』からの調査。
男児と比べた出生率の低さや出産後の死亡率などから推計している。
それによると"生きていたはずなのに、
"消失"した女性"は、1970年時点で6100万人もいた。
一部の国では検査により、女児なら中絶したり、育児放棄したりするためだ。
女児消失は凄まじい男尊女卑の考え方からだ
このおぞましい傾向は残念ながらその後も一定の割合で続いており、今年までに世界の累計で約1億4千万人にも。
とりわけ多いのは中国の累計7230万人、インドでは同4580万人もが消失したとされる。
われわれは知り合いの女性が妊娠したことを知ると、『どっちかもう分かった?』と、気安く聞いてしまう。
もちろん男女どちらであろうとも皆んなで祝福する気持ちは変わらない。しかし現実に男児だと聞き『それは良かった』という年配者もおり、不快に感じる女性も多いのだ。
超音波検査で容易く判明する胎児の性別だが、世界ではまだこんな野蛮なことが起こっている。
もりもとなおき