6人の任命拒否…反政府への先導を懸念した?
伊吹文明さんは少しは見識のある老保守政治家と思ったこともあったが、これはとんでもない勘違いだったことが、『水戸黄門の印籠』のバカな例え話しで分かった。
そして今朝、共同通信が、菅首相が6人の日本学術会議への任命を拒否したのは"官邸が反政府への先導を懸念したため"と、加盟社の紙面を通じて報じた。
政府筋の話しとしているが、今回の伊吹さんの話しとやはり、相通じるものがあった。

三権の長の発言とは思えない例え話しだった
伊吹さんはまあ、自民党の派閥内での発言だから本来、問題にはならないと思ったのだろう。
しかしチンピラ議員とは違う。元三権の長、衆院議長だ。こういう高飛車な発言が波紋を呼ぶのは当たり前だ。
そして6人の任命拒否の本当の理由も何となく解説してしまった。
菅首相の考え方もその通りだろう。
本当に今の自民党は反知性主義がここまで蔓延っていることに驚愕せざるを得ない。
政治家が学問の自由に平伏しても、その逆はダメ
報道によればさる5日の二階派の例会でのことらしい。伊吹氏は日本学術会議の会員任命拒否問題で、『学問の自由と言えば、水戸黄門の印籠の下にひれ伏さないといけないのか』と、疑問を呈した。
伊吹氏は日本学術会議については『内閣の一組織だ。政治的発言は自粛しないといけない』とも指摘。
軍事研究に反対した2017年の同会議の声明に触れ、『レーダーは兵器として使われるが、船舶や飛行機の安全航行、気象観測のためにも使われる。独断すべきではない』と強調した。
任命拒否の菅首相の本音を代弁した伊吹さん
また『菅首相の心中を忖度して言えば、一方的な意見公表は自重してもらいたい気持ちがあったのではないか』と語り、今回の任命拒否は妥当だとも主張した。
忖度どころかまさに菅首相代弁だろう。
自民党の重鎮がここまで学問の自由に対し、強権的な物言いをすることに不快感を感じた人は多いだろう。
学問の自由とは伊吹さんが言ったようにあなた方に対しては水戸黄門の印籠なのだ。

右だろうが左だろうが悪代官にもなる政治家は、学問に不当な口出しは許されないのだ。
もりもとなおき