世界で67位はドミニカやクロアチアなどより下
国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団(RSF)」(本部・パリ)が、世界180カ国・地域を対象とした「世界報道自由度ランキング2019」を発表したが、日本は昨年と同じ67位で、G7の中では最下位だった。
2010年には11位というかなり上位の時代もあっただけにこの数年間、安倍政権下でのメディアの低迷ぶりがひじょうに顕著になっている。
このランキングは国境なき記者団が年に1度発表している。
日本の67位とはどの辺に位置するのか。近い順位の国では55位のドミニカ共和国や59位ポーランド、64位クロアチアよりも下、70位のモンゴルよりやや上という程度。
41位の韓国より遥かに下にランク付けされています。もちろん欧米諸国とは比べるべくもないほど低い順位になっている。
政権の圧力に簡単に屈する弱腰メディアの責任大
私も元マスコミ人として思うのは、内閣記者会での望月いそこ記者と菅官房長官のひじょうに空虚なやり取り。
さらに官邸からの記者クラブへの圧力とも取れる申し入れなど、報道の自由を脅かす現政権の対応は枚挙にいとまがない。
しかしこうした強権的な政権のやり方に、沈黙し、屈してしまうメディアのあり方、弱腰の方が遥かに問題だと考えている。
安倍さんと公然と食事し、仲良くなってしまう大手メディアの経営者たち。そしてこの経営者に忖度し政権批判のトーンを平気で弱めたり不祥事を追求しないメディアの幹部ら。
テレビキー局の報道番組の人事にさえ経営者が介入し、政権に批判的なスタッフを排除したとの噂もこのところつきまとう。
弱腰記者クラブなど潰してしまえ!
そして現場の記者はどうか。記者ほクラブに籠る政治記者たちには反骨精神のカケラも感じない。
極めて排他的
政治記者たちの永田町の前線基地・国会記者会館。昔は骨のある人もたくさんいた
NHKなどまさに安倍政権の広報番組と化してきた。安倍さんのスポークスマンと呼ばれる岩田明子記者など登場したら、ニュースが安倍さんの広報番組のようだ。
また大臣に記者がオマエ呼ばわりされるなど、ひと昔前はあり得なかった。
望月さんへの官房長官の冷たい対応は個人の問題じゃなく、記者クラブが舐められていることがわからないのか。
全ての記者にクラブを開くか、それができないなら記者クラブなど潰してしまえと、言いたい。
報道の自由度の低迷は国民の知る権利を狭め、引いては大きく国益を損ねている。
もりもと なおき