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安楽死は最後の自分の権利なのか⁈ 改めて生と死を問う番組だった

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NHK『彼女は安楽死を選んだ』で胸に迫ったこと

治療法や薬もなく将来に絶望感しか持てず、毎日激しい痛みや苦しみと闘う人に、それでも『最後まで生きるべきだ』と、果たしてだれが言えるのだろうか⁈

先日のNHKスペシャル『彼女は安楽死を選んだ』を見て改めて生とは、死とはを考えた人も多かったと思う。

 

とても重苦しい内容で途中で何度、チャンネルを変えようと思ったか。

例え脳死でも、器械で呼吸をさせられているのが理解できても、まだ身体の温かい人を"死"と認めることが、なかなかできないかもしれない自分にとって、とても深いものだった。

安楽死を選択したということ

『じゃ入れるよ』と付き添う姉妹。この薬物が点滴とともに体内に入ると、わずか30秒で意識を喪失し、そしてまもなく死に至る。
その瞬間、姉妹は号泣した。

自分らしさを保ったまま亡くなりたい。治ることのない重い神経難病を患っていた一人の日本人女性が、スイスでの安楽死を選択した。

番組は彼女が安楽死を選択するまでの心の葛藤、逡巡。彼女と向き合い続けた姉妹の姿を淡々と映像にした。

安楽死が認められているスイスでは、海外からの希望者にも安楽死を受け入れている団体がある。
彼女はインターネットで申し込み、最愛の姉妹2人に付き添われ、スイスでの旅立ちを選択した。

改めて教えてくれた死の尊厳とは

この間の本人の苦悩、姉妹の苦悩は番組を見ただけの私たちには分からない。
しかしひとつ言えたことは自分で死を選び実行することは、他者は口を挟めないことなんじゃないかと考えた。

そしてそれは自らがきちんとした幕引きをすることで、今まで生きた証を残すことじゃないかなと。そしてその死はとてつもなく尊厳のあるものだと。

もちろん自殺とは全く似て非なるもの。その死を理解し、見守る人がいるということは大きかった。

女性の『私が私であるうちに死にたい』という言葉が、彼女の安楽死選択の全てだったと思う。

遺体はスイスで荼毘に付され、遺灰はスイスの川にまかれた。

安楽死が認められていない日本に、遺体や遺骨は持ち帰ることができないのだ。

もりもと なおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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