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安田純平さん生還。フリーランスの職務は危険地帯からの勇気ある発信

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安田純平さん、3年ぶりの生還

昔、雲仙普賢岳の火砕流で多くの記者が亡くなった時、『取材中に死ぬということ』みたいなテーマの新聞労連新研部の緊急集会に参加した。
テーマがテーマだったので、全国から強者が参加。それぞれの命がけの経験を聞き、徳島の田舎でヌクヌクと取材活動する自分を何となく恥じ入ったものだ。
だから世界の紛争地域に自ら入り、悲惨な内戦や圧政に苦しむ人々の現状を、カメラとペンで世界に発信するフリーのジャーナリストは心から尊敬してきた。

シリアで過激派武装勢力に捕らえられていたジャーナリスト、安田純平さんもそのひとりだ。安否をずっと心配していたが、解放されたことは本当に嬉しい。

今回も"自己責任論"が出て、ネットでは彼の批判も溢れているが、フリージャーナリストの仕事をどうか知って欲しい、としか言えない。

 

シリア・アサド政権の残虐さ知らせるために

安田さんがシリアに入ったのは2015年6月だった。一般市民を虐殺するアサド政権の残虐さを世界に知らせるため、危険を顧みずトルコから徒歩でシリアに入った後、行方を断っていたが、イスラム過激派組織に拘束されていることが判明した。
これまでに計4回、救出を求める安田さんの画像がインタネットで流れたが、次第に衰弱していくようで、心配されていた。

安田さんは『フリーのジャーナリストというものは、紛争地域であっても事態の真相を見極めるためにリスクを負って取材に行くものだ』と常々語っていた。

今回の救出はカタール政府などが組織と交渉を続けていた結果のようだ。身代金はカタール政府が払ったとの情報が流れている。まだ真相もその意図も分からない。
菅官房長官は記者会見で、解放の情報はカタールから提供されたと述べていたから、カタール政府が関わった可能性は高い。

安田さんは長野県の地元紙・信濃毎日新聞の元記者。在職中から休暇を取ってアフガニスタンやイラクを取材していた。2003年1月に退社し、フリーに。直後の同年3月に始まったイラク戦争でも現地入りし、イラク軍などに複数回拘束されつつも取材を続けた。

もりもと  なおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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