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"害獣"として殺すことで解決しない。里に下りる動物たちとの共生を

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動物たちも好きで山を下りてはこない

山の自然が人間によって破壊され、動物たちに住みにくくなっているからシカやイノシシ、熊やサルが人里に降りてくる。そして腹が減っているから農作物を荒らす。
彼らだって山に豊富な食べものがあれば、危険を冒し人里には来たくないはずだ。

そしてこの動物たちを"害獣"と位置づけ、駆除する行政の依頼を受けた団体が撃ち殺したりワナを仕掛けて捕まえ、殺している。

最近はその肉を使った料理をジビエ料理と呼び、行政が音頭をとって普及させているから嫌になる。
国会ではジビエ利用の議員連盟まであるようだ。

なぜ殺す前に共存する方法を考えないのかと、ずっと思ってきた。

徳島県の場合、被害は年間約1億円

例えば徳島県の場合、こうした動物たちによる年間の農作物被害は約1億円だ。これが高いか安いか。1億円のためにどれだけたくさんの動物が殺されているのかと考えると、あまりに理不尽なことだ。

1億円くらいだったら行政が農業生産者になんとか手当できる予算だと考える。
あと、防御対策を自分で取っている農家もあるから、これも行政がなんらかの手当てが必要だろう。

そして当然だが彼らが住みやすい昔の山に戻さなければ何も解決にならない。これは動物たちだけの問題ではなく、山の手入れは即、麓や街に住む人間のためでもある。

近年の激しい気候変動で、以前と比較できないほどの夏場の降水量だ。森林保全が一番の洪水対策でもある。

殺すことで何も解決はできないと思う

捨てられる犬やネコが街にあふれていた時代、日本は保健所が捕獲し、大量に殺すことで解決してきた。
しかし今は、国民の努力で20年、30年前に比べたら殺処分は激減し、さらにゼロを目標とする自治体もどんどん増えている。

殺して解決するのではなく豊かな自然を守る為にも、里に下りて来ざるを得ない動物たちのことも考えたいと、思う。

 

もりもと なおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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