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山より大きな猪はいない。先輩のことばは日和りそうな時、背中を押した

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高校時代や大学時代、学生運動の活動家の連中が多用する言葉に日和る(ひよる)というのがあった。まあ、簡単に言えば相手の強大さや虚像におじけ付き、闘う前に腰が引け、戦線を離脱してしまうことか。

こんな連中には必ず『てめぇ、日和るのか』と、激しい罵声や叱責が飛んだ。
それで仲間から"日和見主義者"の烙印が押されるのが嫌で、猛然と機動隊や革マルに突っ込んでいったヤツもいたはずだ。

高倉健さんのヤクザ映画がなぜ全共闘の学生たちにウケたかのか。たった1人でも渡世の義理のため、長ドス一本で敵地に乗り込む胆力と潔さ。日和るということばと無縁だったからだろう。
健さんが刀を抜くと映画館内は学生たちから『よしっ!』と掛け声が渦巻いたものだ。

国民のため日和ってはならない政治の世界やメディアの世界さえ、日和見主義者が蔓延し、困ったものだ。

ただ単に気が弱いだけか?出世のためか?バカなのか?
政治家がポスト欲しさに権力者に媚びたり平気で考えを変えることは、有権者を裏切ることに等しい。
新聞記者が権力やダメ上司に忖度し、ペンを曲げることは自ら志したジャーナリズムを裏切ることだ。

最近の政治家や新聞記者には日和見主義が蔓延してしまった。

かくいう自分もこれまでの人生、極力、やせ我慢して頑張ってきたが、日和ったこともある。

新人記者時代の先輩であり上司だった平野淳輔さんは、ある取材に向かう私の腰が引けていると見たんだろう。


『山より大きな猪はいない』と言われ、背中を押された。
挫けそうになった時、気持ちが負けそうになった時、いつもこの言葉を思い出す。

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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