市原悦子さんも卒業生だった
早稲田大学の第二文学部は側から見ても、とても魅力的な学部だった。第二だから早稲田唯一の二部の時代が長かった。
2006年に募集停止すると聞いた時は『なんてバカなことをするんだ』と、信じられない思いだった。
ある意味古き良き時代の早稲田の匂いを残していたし、昼間部より偏差値は低く入り易かったから、本当の早稲田ファンや、早稲田文学の魂を継ぐ学生も多かったからだ。
当時は授業料も安く、苦学生もたくさんいた。
きょう、女優の市原悦子さんの訃報が伝えられたが、この人も第二文学部のOBだった。
吉永小百合さん筆頭にキラ星の如く
とにかく第二文学部出身者には有名作家やジャーナリスト、俳優がきら星の如く並ぶ。
その代表は吉永小百合。
同時代、同じ第二文学部で過ごしたタモリは『学食でトーストを食べていた吉永小百合が残して退室したあとは、そのトーストの奪い合いだった』と、話している。
俳優ではパッと挙げても風間杜夫、加藤剛、北大路欣也、菅原文太、中井貴恵ら。実相寺昭雄、高橋伴明、小栗康平の映画監督。
ジャーナリストでは田原総一朗、辺見庸ら。小説家では高井有一、吉池理恵、田中光二、澤地久枝ら他にも多数。
永六輔、大瀧詠一、将棋の加藤一二三、橋田壽賀子、谷沢健一、石井浩郎、ハリセンボンのはるかなど、思い浮かぶだけでもこんなに。
昔の人は中退が多く卒業しなくとも、逞しく生きてきた人が多かった。
友人にも二文は2〜3人いたが、いずれも卒業証書に意味を見い出していない感じで、いつの間にか中退していた。
私は第二文学部の学生ではなかったが、ロシア語を学ぶため週一回、夜の文学部キャンパスに通った。
見上げてごらん夜の星を…永六輔
文学部キャンパスには上がって行くスロープがあったが夜遅く、ロシア語が終わってスロープを下って帰る時、夜空の星が綺麗だったのを覚えている。
キャンパスに上がる当時のスロープ
永六輔が坂本九の歌う『見上げてごらん夜の星を』を作詞したのは、二文の授業の帰りだったと聞いて、なるほどなと、思ったものだ。
もりもと なおき