灯台は航海する船の生命線
先日、徳島新聞夕刊に、徳島県内の灯台を特集していたが、なんと48基もあるそうな。さすが太平洋を望む海洋県と感心したところだ。
昔は灯台守という重大な仕事があったのをご存知だろうか?
日本では長崎県五島市の男女群島の女島にある女島灯台が最後の有人灯台だったが、2006年12月5日に無人化され国内の灯台守は消滅した。
戦後は海上保安庁の管轄で、灯台守はみんな国家公務員だった。
喜びも悲しみも幾歳月
私は何故か幼い頃から男らしい職業の1つに灯台守が入っていた。
なぜかというと、まだ幼少時、灯台守が活躍する映画を観たからだ。
両親に手を引かれ行った映画館。その時見た映画が有名な『喜びも悲しみも幾歳月』という、灯台守を主人公にした物語だった。
この時、スクリーンでは大型台風の大シケの中、主人公の灯台守が沖を行く船のため、命がけで灯台の灯を守った。
そして妻も夫と一心同体で台風と闘ったーとのストーリー。
灯台のある場所は岬のてっぺんだ。台風の時の風雨たるや、ハンパではなかっただろう。
私はまだ赤ちゃんに近い幼児だったと思うが、なぜかその"命がけのシーン"だけが何十年もの間、よく浮かんできた。
夫婦仲睦まじく守った灯台の灯り
お〜いら岬の〜 灯台守は〜♫
妻とふたり〜で〜♫
オールド世代ならこの歌もご存知だろう。主演は佐田啓二(中井貴一のオヤジ)と高峰秀子。
その後、テレビドラマにもなったから、ストーリーの記憶はずっと繋がっていった。
こうした灯台は徳島だけで48カ所だから、全国には何千とあったんだろう。だから転勤も多かったようだ。
灯台守たちは灯台からごく近くだが、人里離れた官舎に住み、夫婦で仲睦まじく灯台を守った。
灯台…いいなあ。
ちなみに島根県の出雲日御碕灯台は好きで二回も訪れたが、必ず『お〜いらみっさきの〜♫』を口ずさんでしまった。
もりもと なおき