政治改革の目玉として衆院に小選挙区制度が導入され早、四半世紀。政治は少しは良くなったのか⁈
これからは二代政党による政権交代があると語った後藤田さん
1994年、政治改革関連法が国会で成立した日、県議会議員2年目の私は知り合いの新聞記者とともに国会議員会館に後藤田正晴先生を訪ねていた。
この日の後藤田さんは上機嫌で『苦労したけどやっと法案が通ったよ』と嬉しそうだった。

そして『次の衆議院議員選挙からは選挙区でたった1人を選ぶ小選挙区制度がスタートする。これで日本も二代政党制ができるんだ。政権交代が可能になるんだよ』と、説明してくれた。
私が中選挙区は複数の議員がいます。スタートは混乱しませんか?と質問すると、
先生は『3度くらい選挙をしたら、2つの大政党に必ず馴染んで落ち着いてくる』とし、『国民に目を向けないおかしな政治をしたら、国民は次の選挙で政権を代える。だから良い政治がで実現できるんだよ』と、将来に期待を込めた。
果たしてその時の非自民連立政権は、わずか1年余でバラバラとなり、選挙を経ずして自民社会さきがけ政権に。
小選挙区制導入5度目の衆院選挙で、政権交代は実現したが…
さらに2009年、小選挙区制スタートから5度目の衆院選挙で民主党単独政権が誕生。小選挙区制度による本格的な政権選択選挙が実現した。
しかし政策は旧グループ毎に一致しない。さらに小沢か反小沢かという子供じみた人間関係。
こうしたつまらない内紛により四分五裂した後、自民党に惨敗、今日に至っている。


こんなことの繰り返しだから、なかなか自民党に代わる政権交代可能な強い政党ができないのだ。
小選挙区制のダイナミックさは、極端な話、議席が100対ゼロにもなり得るのだ。しかし負けたからといって、右往左往するのでは、政党は成り立たない。
頑張れば次の選挙で同じようにひっくり返るのだから。
負けても次に向けて頑張ることが政権奪取に繋がるのに…
自民党の強さ、倒れないところは、選挙で惨敗しても仲間を裏切って他党に身売りするケースはほとんどない。
捲土重来を期し、次の選挙まで地道に汗を流し、勝ち上がる。これは本当に凄いと思う。
だから民主党躍進で議席を200近く落としても、また次は大量当選し政権奪取に繋がった。
落選しての浪人生活は大変だ。次も確約される訳ではない。だから当選し易い新党や、大樹・自民党に目がいってしまう。
かつての旧民主党のスターであり、将来は二代政党の一方のリーダーと目された細野豪志、長島昭久の両氏が自民党入りのニュースは、衝撃を持って伝えられた。

すなわち、旧民主党勢力を、二代政党のひとつとして育てることを、2人が断念したことを意味するからだ。
やはり二代政党が必要なことを、痛感する昨今だ。もりもと なおき