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後藤田氏五輪延期発言。ネット時代、新聞は直ぐ記事にすべきだった

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ネット時代、政治家のSNS発言は直ぐに記事にすべき


徳島選出の衆院議員、後藤田正純氏が先週土曜日、自身のFBで東京オリンピックに言及。コロナ禍の今、大切なのは医療と国民生活を守ること。今夏の五輪は中止を決め、2024年に延期した方が良いと、注目すべき発言をした。

氏は現在、自民党の政調会長代理だけ特筆すべき発言。しかし地元紙徳島新聞は直ぐに翌日朝刊でカバーしていると思いきや、ニュースになったのは5日後、水曜日の朝刊だった。

後藤田氏のSNS発言を取り上げた徳島新聞

もちろんSNS発言を記事にしたことは評価したい。しかしネット時代、社会の動きは早い。もし後藤田氏の後、水曜日までに別の政治家が同じ発言をして先にニュースとなれば、せっかく自民党内で口火を切った後藤田氏の発言が、読者には二番煎じと捉えられる可能性はあった。
ニュースは瞬発力が大切だと、思った次第だ。

新聞記者は瞬発力が大切と先輩に教えられた新人時代

実は新人記者の時、先輩に言われたのは『新聞記者に大切なのは瞬発力や!事件報道に名文はいらん。締め切りまでにどれだけ事実をニュースにできるかや!』と教えられた。

そんな訳で締め切り直前の大ニュースを紙面に叩き込む緊迫感が大好きだった。
例えば朝刊第一社会面の締め切りが午前零時50分だとする。普通、締め切り5分前の事件だと記者もデスクも明日にしようとなる。

もちろん、やる気がないということではない。記事が遅れると活字を打つのが遅れ、さらに整理部の紙面編集が遅れる。

すると印刷のスタートが大幅に遅れる。さらに新聞の梱包が遅れ、全県の販売店へ届くのが遅れる。

最後は各家庭に届くのが遅れ、読者に迷惑をかける。こんな理由から時間厳守は大切な約束事だった。

重大ニュースは早く読者に伝えるのが社内事情より遥かに大切

しかし私の考えは少し異なった。どうでもいいニュースを無理やり放り込む必要はない。
年に何度もない重大ニュースは、全力で突っ込もう。それが買ってくれる読者への誠意だというのが私の信念だった。社内の事情より遥かに大切だ。

だから生意気と言われようが若い記者時代から締め切り前後の記事を入れる、入れないでデスクとは大喧嘩になった。

もちろん、翌日回しにしてじっくり取材する方が良い場合もある。
要するに"モノ"による。事件はもちろんこれは新鮮さが命だと判断した場合は最新の紙面に入れるべきなのだ。

先の後藤田発言は直ぐに翌朝の紙面に掲載することが私はベストだったと思う。

コロナ感染拡大の中、80%の国民が五輪は無理と考えているが政権はやり切る一辺倒。

政調会長代理の発言は東京五輪を可否を判断する議論のスタートになると、私は思った。

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

morimoto_ naoki72

森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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