以前はなかなか表沙汰にならなかった刑務所内の出来事
人に迷惑をかけた犯罪者が入っているところだ…との思いがあるからか。刑務所内で起こっていることにはあまり国民は関心を示さない。
そして新聞記者たちも日常、取材することはまずない。もちろん、刑務所側からのニュース提供はほとんどない。
隠しようがないにっちもさっちもならない刑務官の不祥事や、弁護士らの告発で服役者にたいする極めて酷い対応が明るみになった時に限り渋々、広報することがある程度。
もちろん受刑者の人権を盾に内部を取材させてはくれないし、電話取材には口は重く、基本的に取材に応じない。
まあ、これが私が事件記者時代の基本的な刑務所の対応だった。当時はいわゆる伏魔殿だったのだ。
就寝中の女性受刑者に『ベリーグッド』とは如何に?
最近は少しは改善されてきたのだろうか。
こんな変な刑務官のことを発表したくらいだから、改善されてきたのかもしれない。
徳島刑務所が女性受刑者に不適正な処遇を行ったとして、男性副看守長(47)を減給100分の20(1カ月)の懲戒処分にしたーとのニュースが徳島新聞に出ていた。


これは女性受刑者はさぞ気持ち悪かっただろう。かなり怖かったと思う。
この男は深夜から未明にかけて巡回でこの受刑者の居室前で何と「つら右」「ちち右」「けつ左の右横」「ベリーグッド」と、訳の分からない声をかけたという。
これが複数回というから、中にいる女性はゾッとしたに違いない。
女性受刑者が翌朝、女性職員に話し発覚した。
刑務所内の人権を守るにはきちんと取材対応するのが基本
刑務官は『就寝状況を確認するための独り言』と釈明しているが、そもそも寝てるる相手に声をかけても良いのか?
やはり刑務所は処分の対象として声を出したこと、内容がセクハラにも該当すると判断したようだ。
この訳の分からないことばも、独り言では済まない。刑務所はきちんと本人を調査し発表すべきだろう。私は刑務官のこのナゾの言葉に興味がある。『ちち右』とは??
受刑者にも当たり前の人権はある。この人権を守るためには開かれた刑務所であることが不可欠。
それは報道機関の求めに応じて、きちんと取材対応することだろう。
もりもとなおき