不信感しか感じない教育委員会
徳島県教育委員会の障害者雇用の水増しが酷い。2006年以降でなんと延べ89人も。障害者手帳の確認など、国のガイドラインに基づかない、教育者としてあるまじき極めていい加減なことをやってきたようだ。
私は元来、教育界には不信感しかない。教育委員会には不快な思いしかないからだ。これは記者〜議会議員時代、合わせて36年間、教育関係者を取材したり議論したり、彼らの生態を観察しての結論だ。もちろん、中には立派な教師も、管理者もいることは知ってるし、いて当たり前のこと。批判すべくはあくまで組織論での話しである。
臨時教員という制度で教師を骨抜きに
徳島県のことしか分からないから、この県についてと、断っておく。
まず採用試験。なぜか新卒はほとんど受からない。100人受けてもせいぜい数人だ。受からないというより現役は受からせない。それでどうなるかと言うと、合格できなかったものは臨時教員になる。
この臨時での修行が3〜5年というところ。もちろん教科による。中学、高校の体育や音楽だと採用ゼロの年もあるから、いつ受かるかも分からない。
あと、教師の子弟は必ず教員試験は最後は合格する。少なくとも親が先生で子どもはなれなかったケースは、私はしらない。
臨時教員時代は真面目さはもちろん、組織への従順さも求められるようだ。教員採用試験の合否を決める要素のひとつに、臨時教員として勤務した校長の評価もある。
だから校長に嫌われてはいけない。仮に若いのに県の教育のあり方に物申したら、校長からの評価は低くなるのは間違いない。よって臨時教員の期間にほぼ骨抜きにされる。これが一番、問題だ。
教育長をトップとしたブラックボックス
教育長をトップにした盤石のピラミッド組織であり、他を寄せ付けないブラックボックス。上層部の人事異動は教育長の覚えめでたくなければ絶対、出世しない。
人事異動期になるとコースから外れた、外されたと思われる教員から匿名の内部告発が必ず送られてきたが、教育長、教育長OBとその取り巻きグループの批判、悪口ばかり。当たったていることもたくさんあった。
私は教育長は教員の上がりではなく、教育界にしがらみのない行政あるいは民間から登用すべきと何度も提案してきたが、ここ20数年はずっとほぼ高校校長の上がりとなっている。
もちろん教育長も千差万別。ひじょうに尊敬できる方も、もちろんいたし、そんな人はしょっちゅう部屋にお伺いしご高説を賜った。たったひとりだったが…
教育委員会に一般行政や民間を流入せよ
教育長でどうしてもそのやり方が看過できない人間もいた。取り巻きは多く、退任後もずっと人事に口を出す。私は議会でも何度もとりあげたが、あっという間に直ぐに本人の耳に届いていた。名前を挙げたいくらいだ。
ブラックボックスの教育界の改革は、教員以外の人間を多数委員会へ入れることしかないと、思っている。あるポストには知事部局から度々、出向しているが幹部にも関わらず「大事な話は教員幹部だけで知らないまにやっている。なんとも言えない組織だ」との話も聞いた。
イジメの問題がより悪い方向に大きくなったり、教員の働き方改革が遅れているのも、ブラックボックス化した教育委員会にあるのは間違いない。
もりもと なおき