新型コロナウイルスの感染者が性風俗店の女性従業員だった場合、彼女が働いていた店名を公表すべきか否か。先日、徳島市で20代の性風俗店の女性が感染したことを受け、地元ではこんな議論が起こっている。

また元気がなくなった徳島の夜の街
感染女性の勤務する風俗店名は公表すべきか否か
県議会委員会でも店名を公表すべきとの議員の強い申し入れもあったようだが、結局、県は感染源となった店の名前の公表は見送った。
代わって県は一定期間、徳島の性風俗店を利用した不特定の客や従業員に、匿名での検査を呼びかけている。
店名公表は該当店の死活に関わるだけにひじょうに難しい問題だ。しかし今回のケースは感染者が性風俗店という、極めて客に感染しやすい環境だったことが容易に推測できる。
クラスターを未然に防ぐ意味でも速やかに公表すべきだったかもしれない。
水面下でクラスターが発生し、感染を拡大させることが一番、恐ろしいからだ。
女性の接客相手30人中、連絡ついたのはわずか8人
これまでの県の発表では、女性は先月15、16日に大阪へ行き、ホストクラブへ立ち寄った。
そしてコロナ感染が分かるまでの17〜25日は店に出勤し、30人の男性客を相手に接客している。
そして身元の分かった客など8人がPCR検査を受けたが全員が陰性。風俗店の従業員や同居男性、彼女が立ち寄った飲食店などの従業員も幸い、陰性だった。
しかし検査した接触者が全て陰性だったからと言って楽観すべき話では全くない。性風俗店が感染源となった場合、客の行方がわからない、自ら名乗り出て検査を受けない可能性が極めて高いからだ。たちまち女性が接客したうち22人は連絡はつかない客だった。
女性の感染元はホストクラブと断定はできない
そこが問題だから店名を速やかに公表すべきとの意見は圧倒的に多い。
今回のケースでも私の周りは感染拡大を防ぐためにも公表すべきの意見がほとんどだった。
今回のケースも県は彼女は大阪のホストクラブで感染した可能性が高いとみているが、私はそれも断言はできないと考える。
性風俗店の客から感染した可能性も同じくらい、いやそれ以上にあると思うからだ。
だからこの店名の公表は大切だし、客の検査対象を女が大阪から戻って以降と、期日も決めつけない方が良いだろう。
客から感染した可能性もあり、大阪へ行く前に接客した相手にも検査対象を拡大すべきだろう。
性風俗店の営業実態は県も警察も常に把握を
この時期、こうした性風俗の店が営業を続けていることにも驚くが、この業界には組合もなく行政の指導が全く行き届いていなかったのもネックになった。
性風俗関係の業者は、徳島県だけで200を超えてありことを知り、これも驚きだった。大半が感染が出た場合、わかりにくいデリバリー系だという。
やはり許認可をした以上、常に業者の現状把握すべき。警察的にもこうした業者には問題にすべきことは、多々あるはずだ。
もりもと なおき