"正直もの日本"はいつも正攻法だったのに
国際社会のなかで日本は正直でやり方が正攻法だから、時には他国の不正なやり方に負けることがあるーと、子ども時代は教えられていた。
それでもそんな日本に誇りを感じていたものだ。
ところが2020年の東京オリンピック・パラリンピック招致に絡み、賄賂を贈ったんじゃないかとJOCの竹田恒和会長がフランスの捜査当局から、贈賄の疑いをかけられているとの話しは、われわれの世代は衝撃だった。
各国に地道に根回しをし、信頼で得た招致決定だと思っていたからだ。
そして何が起こっても、何をやらかしても責任を取らない日本になってしまったが、竹田会長がやっと退任することになったのは当然であり、ひとまずホッとした。竹田氏はIOC委員も辞任するという。
しかしこれだって五輪1年前の東京イベントに、IOCバッハ会長が欠席を伝えてくるなど、IOCの圧力からとの声がある。
あとは若い力に任せたいと言っているが、間違えても院政など引かず完全引退を願いたい。
嫌疑晴らして開会式ができるのか
他国の捜査機関から贈賄の容疑をかけられるなど、およそスポーツとは掛け離れた出来事だ。事情を聴かれた段階で辞職すべきだった。
さらに竹田会長は71才。この年齢ではフランスの捜査に関わらず定年だ。
しかし周囲は竹田氏の続投を前提に、除外規定を置こうとしているようだったから、組織の在り方も問われるところだった。
竹田会長は現在、贈賄容疑で捜査されている。もちろんまだ訴追されたわけではないが、以前の記者会見も全く説明になってはいなかった。
フランス司法当局には、竹田会長をトップとした招致委員会がコンサルタント会社に払った資金は、国際オリンピック委員会(IOC)委員への賄賂だったのでは、との疑いを持っている。
バッハ会長はなぜ来ないか
バッハ会長がイベントに欠席ということは、かなり深刻な状況なのかもしれない。
2001年、竹田氏が会長に就任し、永世会長でもあるまいし、なんと17年が経過した。竹田氏はじめ70才を超える連中は、きちんと内部規定を守るべき。スポーツ界の老害はたくさんだ。
りJOC理事のシンクロの小谷実可子氏などは泣きながら慰留したというが、ことの深刻さを全く理解していないと思わざるを得ない。
こうした理事の中から後任が選ばれるとなると、軽いJOCなりそうだ。
もりもと なおき