『命懸けで闘えば、ちっぽけな方が強大な相手に勝つことがある』

実に次元の低い例え話しで恥ずかしいけど、半世紀前の高校時代、本宮ひろしの『男一匹ガキ大将』という一声を風靡した少年ジャンプ連載の人気漫画があった。
この中で当時から今までずっと僕の心に残り、気持ちが負けそうになった時、弱い自分を勇気づけ、心を鼓舞してくれる忘れられないシーンと主人公のことばがある。
ひとりの小さく華奢でひ弱な少年が、確か少年院で、身体がデカく喧嘩が強く幅を利かせていた乱暴な少年とボクシングの試合で闘わなければならないことになった。
ひ弱な少年は闘いを怖がり、乱暴者ははなからその少年をバカにし嘲笑う。しかしその少年院で力をつけてきた主人公戸川万吉は、これを見てひ弱な少年にこう言った。
『相手が大きくどんなに強くても、男が命がけでタイマンで闘えば、そう簡単には負けないんだ!勝つことだってある』と。
結局、少年は倒れても倒れても一歩も引かず、最後は乱暴者に勝つことができた。
全体主義国家では独裁者は意のままに軍隊や兵士を動かすことができると思っている。しかしみんなロボットじゃなく心がある。
狂ったとしか思えない独裁者プーチンが仕掛けたウクライナへの侵略戦争で、昔は同じ国民だった人たちを一般の兵士が無慈悲に殺戮できるのか。できる訳がない。
当然、ロシア軍兵士の士気は低く、各地の前線ではウクライナ軍に劣勢を強いられている。だから敵の見えない場所から無差別にミサイルを打ち込んでいるのだろう。


これに対しウクライナ軍の士気は極めて高いと言われている。さらに国民のナショナリズムに火をつけており、80才の老人までが逃げずに武器をとる。
ビール会社はビール瓶にガソリンを詰め、火炎瓶を作る。まさに国家を守るため、何百倍も強大なロシアに一歩も引かないのだ。
ウクライナを応援する国や国民は増え続けている。
もりもとなおき