選挙に出る人は選挙公報に虚偽記載すれば明らかな公職選挙法違反になる。それが学歴詐称なら有権者の判断に少なからず影響を与える。都知事選を前に小池知事の『カイロ大学卒業』の学歴の真偽がメディアや都議会でまた再燃している。
小池さんは本当にエジプト・カイロ大学を首席卒業したのか

小池さんは本当に『カイロ大学首席卒業』なのか
立派になっていたら学歴などどうでもいいのにと思うが、それが政治家だと話しは別だ。プロフィールさえ騙す人間が誠実な政治などできる訳はないと、皆んなが思うからだ。
小池百合子東京都知事。17日告示の都知事選挙に2期目を目指し出馬する。政治家歴はまもなく30年。これまでも自身が経歴に記した『カイロ大学首席卒業』が、幾度となく話題になった。在籍はしていたが本当は卒業していないのでは?との疑惑だ。そして首席を証明する成績証明はあるのか。
こうした疑惑をその都度、指摘した相手に法的手段をとることもなく、はぐらかしてきた。私はこれが不思議だった。普通は即、名誉毀損で訴えると思うからだ。

都知事選前にまたしても再燃した小池さんの学歴疑惑
そしてまたしても来週から始まる都知事選を前に、小池知事が公表してきた学歴と、卒業証書の真贋が問題視されている。
週刊文春、文藝春秋が大きく報じているほか、彼女の半生を描き、ベストセラーになっている『女帝小池百合子』(石井妙子著)でも、その問題が詳しく書かれている。

先週の都議会一般質問でも自民党議員や、無所属の上田令子氏が厳しく斬りこんだが、やり合うでもなくまたしてもはぐらかし、やり過ごした感がある。
選挙に出る以上、学歴詐称は公選法違反となる
選挙で審判を受ける人にとって学歴などを公報に偽って記載するのは、重大な公選法違反となる。再出馬が確実の小池さんにとって、もしずっと言われてきたように『カイロ大学卒業』が虚偽であるなら当然、大きな問題になってくる。
今さら知事の学歴など問題にしてどうするーとの批判が上田都議にも寄せられたというが、これだけメディアで取り沙汰されているのだ。
小池知事が再選を目指す以上、都議会で厳しく質するのは都議として当たり前だ。知事も疑惑に明確に反論する必要がある。卒業証書を出せば簡単に終わる話しなのだ。自身の疑惑が書かれた雑誌や本を『見てないからお答えできない』では、済まないのだ。
小池さんが関西学院大学を中退し、カイロ大学に入学したのは間違いない。問題にされてきたのは、卒業したか否かの指摘だ。
これまで公にした卒業証書は偽物との指摘も
都議会での質問に小池知事は自身経歴について、『カイロ大学の卒業証書についてはこれまでも公にしております。それで、ご質問の(大学の)成績についてでございますけれども、これまでに何度もお答えしてきた通りでございます。担当教官から"あなたは一番だった"とお褒めの言葉を頂いたものがベースでございます。以上です』と、説明はこれまで以上でも以下でもなかった。
上田都議がアラビア語での答弁を求めたところ『だれも分からないから』と、求めには応じなかった。
卒業証書については過去に週刊誌とテレビでチラッと披露したことがある。しかしその後、文春でも『女帝』でも偽物の可能性を指摘されている。
小池さんはその後、求められても卒業証書を見せてはいない。本物ならば誤解を解くために知事室に置いておけば良いと思うが。

地方議員にも卒業証書の提示を求めるケースは多い
選挙に出ると近年は新聞などメディアは、地方議員レベルであっても学歴に虚偽はないか調査する。大学に確認を取るケースも多く、守秘義務から大学が応じない場合は、本人に卒業証書などで確認している。
ここまでうるさいのは、ウソの過大な経歴は有権者の投票行動を微妙に左右すること。あと言うまでもなく、公選法違反ということだ。
小池知事はこうした様々な方面から指摘された疑惑を抱えたまま、都知事選に出馬する。都民がどう判断をするのだろうか。
もりもとなおき