湊容疑者が女子高生コンクリート詰め殺人の犯人だった事実
新聞や放送はなぜそのことに触れなかったのか?
先日、29年前の『東京綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件』の元被告、湊伸治(45)が、埼玉県川口市内で殺人未遂事件を起こし埼玉県警に逮捕されたが、どの新聞も湊が29年前のあの許すことのできない、残虐な事件の犯人のひとりだっと報じなかったことに私は猛烈に違和感を感じた。
私も週刊新潮のネットニュースで知ったが、SNSを利用していない人はまだこのことは知らない。
湊は当時17才。何度死刑にしても到底足らないような事件を起こし、しかも湊の自宅が女子高生の監禁場所だった。しかし少年法に守られ、刑期はわずか4年以上〜6年以下の不定期刑だった。
湊伸治
市民自衛の意味でも、湊の前歴は必要だ
そして殺人未遂という再びの犯行。近所でも湊が日常、異様な雰囲気を醸し出していることを恐れている人もいたという。
報道が杓子定規では絶対にいけない。29年前のあの狂気の少年犯罪は、多くの国民が絶対に許すことができない事件として、脳裏にこびりついている。女の子のいる家庭はいまだに考えるだけで、家族は恐怖を感じる。
アメリカのように性犯罪者や凶悪犯にGPSを付ければ良いが、日本はまだそれも叶わない。市民の自衛の意味でも例え少年法がネックとなっても、報道機関は湊の前歴をきちんと書くべきだった。
私が新聞社のデスクなら絶対そうした。少年法との絡みについては記事に但し書きを添え、あくまで例外として記事を出稿したと考える。
人権派こそ市民を守るためにあえてそうすべきではないのだろうか。29年前の事件の犯人の少年は4人中、3人が再び犯罪を犯している。
今後、新聞界での議論を期待
この問題については今後、新聞協会や新聞労連新研部などでの積極的な議論を期待したい。新聞が刑期を終えた人間の前科前歴は書かない、少年の過去の犯罪は書かないーというのはひとつの見識ではある。しかし機械的に判断することは危険。
女児を狙った性犯罪については、かなり詳しく犯人の過去も報道し、これまでの基準も崩れているではないか。
その都度、きちんと議論すべきだろう。ジャーナリストは誰よりも喜怒哀楽の分かる人間であるはずだ。
もりもと なおき