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新聞記者として大切なひとつは、秘密を聞き出す能力

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『記者には必要不可欠なのは秘密を聞き出す能力と、ニュースソースの秘匿』

私は事件記者時代、秘密の話しを聞き出すのが上手いと、何人もの捜査幹部に言われたことがある。
隅田さん、木下さんという捜査一課長〜刑事部長を務めた有名な名刑事に『新聞記者よりデカか検事になって欲しかった』と、事件記者としては最高の褒め言葉をいただいた。

『記者などに絶対、言ってはいけないことも、もーさん(私のこと)だと最後は喋ってしまうもんぁ』と。


だから私が取り調べをしたら、口の固い容疑者も全面自供、完落ちしてしまうだろうとのことだった。

記者として大切なことは、見聞したことをいかに生き生きと文章に表現し、伝えるか。
それより大切なことは取材相手からいかに大切な話しを聞き出すことができるか。これに尽きた。

そのためには誠実に取材するのはもちろん、秘密を守る〜いわゆるニュースソースの秘匿。これは死んでも守らなければならなかった。

警察の事件捜査に関わる事案は、ほぼ全て守秘義務がある。だから相手が新聞記者だからといって、質問されたことに答える義務は警察には全く無い。
この大切なことを大前提にして警察取材をするのが不可欠だが、ここを理解できないイタい系の"お子さま記者"が増えている。

即ち、警察官や検察官から取材する場合は大学ノートやメモ帳を開き、息急き切って質問責めにするヤツがいるが、これは完全にアウト。
守秘義務のある捜査官が全てメモを取ろうとする記者に、大切な話しなどするわけがない。ましてや電話取材などは論外だ。

私はとにかく時間をかけた。例えば一課長や二課長、刑事部長の部屋に行く時は取材目的は絶対に告げない。ノートも持たない。相手が興味を引くような世間話しだけをした。


そしてこちらも相手に良い情報を提供しなければ良い情報は貰えない。情報のギブ&テイクは不可欠なのだ。
トップの警察本部長が何を考えているか。本部長や部下は貴方ををどう評価しているか。
さらに異動シーズンなら異動情報を小出しにするのは大いに興味を引く。一挙に胸襟を開いてくれることもあった。

そして『長いこと失礼しました』と立ち上がりかけた時…いかにもどうでもいいような雰囲気を醸し出し本題の質問を。ここが大切!
この際、こちらが内容について"白紙"だと思われたらアウト。
"ほほ概要は知っているけど、一点だけ教えて"と、言った感じ。すると必ず教えてくれたものだ。

あと、口は堅く禅問答のやり取りを好む人も。私が部屋を出る時、『もーさん、夜遊びやめて今夜は早く寝なよ』とか。これは明朝、サンズイ(汚職事件)に着手することの合図だったりした。

ちなみに私は男女関係などの周辺の連中の"秘密"も何故かたくさん知っていた(知っている)笑

(かつての名刑事で元刑事部長の隅田さんの書展で。80代後半だが、お元気だった。隅田さんの著書)

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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