この男っぽさが人気ではあったが…
「厳しいから負けるかもしれない。でも、日和って泣き寝入りしたら人生の最後まで引きずる。(落選しても)槍や鉄砲で殺されるわけじゃないからね」
大阪の松井知事は知事、市長入れ替えのW選に臨むにあたり、こう心境を吐露した。
大阪維新の会が大阪でそれなりの支持を得てきたのは、松井知事のこういった男っぽさだろう。常に動くということは、有権者の政治への期待も続くからだ。
しかし……
大阪市長時代の橋下徹氏を持ってしても『大阪都構想』なるものは住民に否決された。橋下氏がいない大阪維新で果たして実現できるのか?
市民がノーと意思表示した同じ課題を、わずか3年余でまた住民投票をやろうとすることに違和感を感じる
が、そのための手段として知事、市長の入れ替えW選も、有権者の理解を得ることができるんだろうか。
どちらかが破れても都構想は終わる
2人が破れたらもちろんだが、どちらかひとりが落選しても大阪維新の会は存亡の淵に立たされる。
そして都構想そのものが消滅する。
松井、吉村両氏にとったら人生の勝負どころだが、大阪維新以外の全ての政党は野合と批判を浴びても全力で2人を潰しにくるだろう。
大阪都構想の住民投票を再び実現するためには、公明の協力が無くなった以上、来月の統一地方選挙で大阪府議選、大阪市議選挙で過半数をとらなければならない。
このため松井大阪府知事と吉村大阪市長はともに秋までの任期を残し辞職。2人が入れ替わるW選に挑むことになった。
W選の勢いで、府議、市議も一気に過半数を獲得することが狙いだ。
4年前の統一選でも取れなかった過半数。さあ当時より明らかに退潮傾向にある中、相当、厳しい戦いが予想される。
二階さん、地方自治にいちゃもんはおかしい
今回のやり方に自民党の二階幹事長が、『思い上がりもほどがある』的な発言をしたが、厳しさを認識した上での松井知事の覚悟を聞けば、二階氏がいちゃもんをつけること自体おかしい。
地方自治に口を出すあんたの方が思い上がっていると、私も言いたい。
橋下徹氏がいない大阪維新には正直、全く興味がない。しかし自民党と共産党を完全に敵に回して自治体運営を行うことには、ずっと注目してきた。
もりもと なおき