未曾有のコロナ不況で、間もなくわが国の失業率は6%を超え戦後最悪になる。さらに恐ろしいのは隠れ失業者を含めると失業率は11%にも及び、失業者は700万人超にのぼる可能性が出てきたことだ。消費の激しい落ち込みに加え、この大不況は犯罪や自殺の増加を予測させる。さらに将来の社会補償にも暗い影を落とす。

続くことが予想される
コロナ不況は世界同時恐慌の様相を帯びてきた
事件記者をしている頃、年末は強盗事件がよく起こった。カネが無い。年を越せない。例外なくこうした動機で思い余っての犯行が多かった。許されるものではないが、背景はもの悲しいものばかりだった。
コロナ大不況はリーマンショックどころか、世界同時恐慌の様相を帯びてきた。アメリカでもメディアなどで1929年からの大恐慌の話しがでてきたようだ。
わが国も加速度的に倒産や失業者が増えているが、まだまだ入口だろう。コロナの第二波などを考えたら、日本経済がある程度の水準に戻るために一体、どのくらいかかるのだろう。


米国の失業率は20%超、わが国は隠れ含め最大11%まで
米国では4月の失業率は前月の4.4%から一気に14.7%まで上昇した。わずか1か月のことだ。第2次世界大戦以降、最悪という。
経済の悪化の程度は世界恐慌以来といわれ、先行きの失業率はなんと20%を超えると見込まれる。
一方、わが国の失業率は最大6.1%、隠れ失業者をいれると最大11.3%にも達するだろうと、野村総研エグゼクティブエコノミストの木内登英さんがNHKニュースで説明しているのを聞き、絶望的な気持ちになった。
わが国は2008年9月のリーマンショックでは、翌年7月、失業率は5.5%と戦後最高水準にまで達した。
実質GDPは1年間マイナス成長を続け、それ以前の水準から8.6%も下落している。結果、就業者数は196.9万人、2.9%も減少した。凄まじい不況だったことがわかる。
GDPは1年間、大幅なマイナス成長は確実
今後、実質GDPは1年間マイナス成長を続けるのは間違いない。2019年7-9月期のピークから11.6%下落、リーマンショック後をさらに大きく上回ると予想される。
結果、265万人が職を失うことが予測されその場合、失業率はピークで6.1%にも達し、戦後最悪の水準となる。
さらに休業を余儀なくされる隠れ失業者数は、リーマンショック時には355万人だったが、今回は517万人と推計されるという。
その場合、隠れ失業者を含む失業率は11.3%まで上昇するというから、未曾有の不況がやってくる。
700万人の失業は消費低迷させ、将来の社会補償にも影響
日本の労働人口は約6700万人いる。失業率は平時で2.5%前後だから、失業者は毎年、170万人前後で推移してきた。
しかし隠れ失業率11%なら失業者はピークで740万人にも達する。当然、その家族もいるから、生活に困窮する人はこの数字では止まらない。
生活保護など社会補償費の増大に加え社会保険料や年金保険料徴収などの大幅な落ち込みも予想され、将来の社会補償にも多大な影響を及ぼす。
そして消費の落ち込みは、また全ての業界にマイナス影響を及ぼしてくる。
未曾有の失業者数で、国の先行きは全く見えない。
もりもとなおき