茨城の知事らは不快感
しかし経営がしんどいからと、骨董品みたいな原発を地元の同意も無しに勝手に再稼働されるんじゃたまったものではない。地元自治体の長が不快感を示すのは当然だ。
日本原子力発電(日本原電)が東海第2原発(茨城県東海村、110万キロワット)の再稼働を目指す意向を地元に初めて伝えたという。
同社が再稼働を急ぐのは、原発以外に収益源はなく、厳しい経営状況が続くためだろうが、そんなことで住民は『はい、そうですか』と、言える訳はないだろ。すでに役目は終わったと言わざるを得ない。
はっきり言って日本原電の経営が苦しかろうとどうだろうと、知ったことではない。
何と東京電力福島第一原発と同じ型
この原発から僅か30㎞以内には、96万人もの人が住んでいる。東京電力福島第一原発の未曾有の事故を見れば、責任ある自治体の長が、うんとは言わないのは当然だ。
さらに再稼働しようとしている原発は、東京電力福島第1原発と同じ「沸騰水型」。これも地元を不安に陥れている。
当然だろう!
同社は国内唯一の原発だけを扱う会社だが、2011年の東日本大震災以降、全原発が停止したままだ。
4基のうち2基は廃炉が決まり、所有する敦賀原発2号機(福井県敦賀市)も直下に活断層があると指摘され、廃炉の可能性が取り沙汰されている。
このため東海第2原発再稼働が、原電経営存続のカギとなっていた。
40年の原発をさらに20年延長への不安、不信
日本原電は売電契約を結ぶ東京電力など、大手電力各社が支払う"基本料金"で経営が成り立っている。18年3月期は2年ぶりの最終(当期)黒字を確保した。
しかし自立した経営には、1基で1000億円規模の収益改善効果があると言われる原発の再稼働に頼らざるを得ない状況だとか。
東海第2原発は1978年に運転を開始だからすでに40年。
そんな古い機種がさらに20年の運転期間延長に必要な、原子力規制委員会の審査に合格したというから、素人目にも大丈夫か⁈と思わざるを得ない。
運転延長の認可は東日本大震災で被災した原発では初めてだ。
東海第2原発の再稼働はそう簡単に、住民、国民は認めない。認めてはいけない。
もりもと なおき