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日活ロマンポルノ時代の宮下順子のわななくの意味とは…

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『谷崎の文学談義から、女優宮下順子が"わななく"意味まで』

元毎日新聞記者の畏友、西野浩史君と谷崎文学についてちょっと語ることがあった。谷崎文学といえば女性の艶かしい描写は多く、日活ロマンポルノの原作になっている作品もある。

そのひとつ、私が鑑賞した『鍵』では見どころとして女優宮下順子が病に伏せる愛人の老大学教授に顔面騎乗を。ところが教授の舌がなかなか秘部に届かず哀れだったシーンの話しをしたら、西野君は異常な関心を。

谷崎より宮下順子に心は移り、彼女の作品の多さに驚いたようだ。私が一度、知人の紹介で宮下順子と食事をした話しをしたらさらに食いついてきた。

で、当時、ポルノ映画のタイトルで『わななく』とか『わななき』が流行った時期がある。宮下順子もご多分に漏れず『順子 わななく』との日活作品を見つけた。
もちろんこの意味はエッチなニュアンスで理解していたが、詳しく知らないまま半世紀が経った。

そこで長年の疑問を文人西野君に尋ねたところ、何とポルノ映画用語じゃなく、この言葉は古文にも使用され、『枕草子』から『落窪物語』まで遡ることができたのだ。
つまり…

わなな・くは【戦慄く】と書き、
①恐怖や怒り、また寒さや発熱などのため、体がふるえる。枕草子「寒がり―・きをりける下衆(げす)男」。「全身が怒りに―・く」
②音声がふるえる。枕草子「神楽の笛の、おもしろく、―・きふきすまされて」
③不安・動揺でさわぎ乱れて落ちつかない。落窪物語「―・きさわぎわらふ事かぎりなし」
④髪の毛がほつれる。枕草子「髪などもわがにはあらねばにや所々―・きちりぼひて」

これを読む限り、今使われる『わななく』も1から4のすべてを含ませたように見えると西野君。
結局、"快感のあまり女が激しく痙攣するさまだろう"との結論となった。
ちなみに西野大兄は女性をわななかせたことはあるようだ。

ともに早稲田出身の元腕利きの新聞記者2人の文学談義は、かくも深いことを分かっていただけただろうか。ちなみに西野君の実家は私の町内会で数十メートル南(笑)

宮下順子だが、最近、どうしてるんだろうと思ったら、昨年秋に観た映画『罪の声』に出演していた。介護老人施設に入居するおばあさん役だった。
わなないていた宮下順子が…昭和の何と遠くなったことか。
(右上は西野君)

もりもとなおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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