大手予備校や業者模試の偏差値のカラクリとは
早慶やMARCH(明治、青学、立教、中央、法政)の難易度が最近、年々高くなっていると学校や予備校関係者に言われている。

これについて否定はしませんが、必ずしもそうは思わない。
確かにいわゆる一般受験に関しては、競争率が非常に高くなっているし、偏差値もジワジワと高くなっているのは本当だ。
だから一般受験に関しては難化しているといえばそれは間違いない。
実はこれにはカラクリがある。文部科学省が指導した定数厳格化により、各大学が過剰に合格者を出さなくなり、当然、一般受験での合格者数は減っている。
これも難化の要因のひとつではあるが、最大要因は、一般受験の定員が、年々激減しているからだ。
つまりいずれの大学も指定校推薦、一般推薦、AO入試の合格者の枠がどんどん広がっている結果、一般受験での合格者の枠がどんどん減らされている。
推薦、AO枠の拡大、一般受験枠縮小で見せかけの偏差値が
例えば100人定員に500人が受ければ競争率は5倍だが、半分推薦などに回せば実質定員は50人に減少。
競争率は一挙に10倍に跳ね上がる。今、難化しているといわれるのは、この現象だ。
最近は学生の青田刈りではないが、どの大学もかなり推薦系の合格者が増えている。そして推薦合格者は大半が入学する。
極端な話しが推薦でたくさん合格者を出し、一般受験の枠を小さくすればするほど一般受験の競争率は上がり、合格者は優秀な受験生ばかりになる。
その結果偏差値がアップし、予備校のランキング表にはこの合格者の偏差値が記されるから、ハイレベルになる。
予備校が発表する大学そのものの難易度は上がり、大学のグレードは一見上がるわけだ。
早慶やMARCHくらいは推薦枠減らし一般受験主流にすべき
もちろん早慶やMARCHも例外ではなく、推薦やAOが増えるほど、一般受験の合格者は相当、ハイレベルになってきた。
結論から言うと、一般受験での合格者のレベルは確かに上がっているが、これだけ推薦が増えると、大学のレベルそのものが上がったかについては大いに疑問。恐らく上がってないだろう。
早慶、MARCHくらいは推薦の大量合格はやめ、8〜9割は一般受験で取るべきと考えるが、どうだろうか。
もりもとなおき