世界の村上春樹ファン待望のスポットになりそう
東京国分寺でジャズ喫茶『ピーターキャット』を経営していた若き日の村上春樹に、レコードをかけさせていた後輩がいる。店でリクエストをしたら気安く応じてくれ、丁寧にジャケットからレコードを取り出し、静かににターンテーブルに載せていたという。
世界的文豪となった村上春樹に、今思えばとんでもなく大胆なお願いをしたものだ。
恐らくこの時代の所蔵レコードもほとんど持ち込まれるのは間違いない。村上春樹さんの母校早稲田大学がことし、キャンパス内に『村上春樹ライブラリー』を開館させる。
早稲田の学生はもちろん世界の村上ファンにも何とも魅力的なスポットになりそうだ。
『国際文学館』として隈研吾氏がリノベーションを
村上春樹さんはこれまで自身の小説作品や資料、海外で翻訳した書籍、収集した数万枚ものレコードを母校早稲田大学へ寄贈していた。
大学としてはこれらをきちんと整理、保管し、世界中の村上文学のファンや研究者に役立てるへきと考え、ライブラリーを開設する運びとなった。
正式名称は『国際文学館』。場所は現在の坪内博士記念演劇博物館の直ぐ隣り合わせの4号館。研究者のための資料室やセミナースペースも計画されている。
新国立競技場の設計をした建築家隈研吾氏によって斬新なリノベーションを施すというから、恐らく木の温かさが伝わるアカデミックな雰囲気になるのでは。

カフェは早稲田の在学生が運営し、未来へ引き継いでいく
館内にはカフェも併設予定。また、このライブラリーの特徴となる大きな階段の本棚から、利用者は自由に本を手に取ることができる。

画期的なのはカフェは今後、公募で決まる早稲田の在学生が運営することになる。この運営も将来ずっと、学生たちがバトンタッチしていくことになるのだろう。
まさに"集まり散じて人は変われど…♫"だ。
開館はことし9月の予定。
村上春樹さんがノーベル文学賞受賞ということになれば、とてつもなく熱いスポットになるだろう。
もりもとなおき