私文に絞った受験生に衝撃!早稲田政経受験は数学もいる
夏を制するものは受験を制す。受験生の皆さんは夏休み、勉強はかどったでしょうか。
さて今、受験界で話題になっているのは、早稲田の政経学部が来春の入試からついに『数学必須』となること。私立文系に絞り、政経を第1志望にしてきた人たちにはかなりの衝撃だったかもしれません。この意味はいったい何なのか。早稲田の凋落に、この入試改革は果たして歯止めをかけることができるのか⁈
数学嫌いが早稲田を受験
元来、数学が苦手だから文系へ。さらにそのうちでも物凄く苦手だから私立文系に絞る受験生は、昔から多かった。その最高峰が早稲田であり、中でも政経学部だった。
もちろん、昔は東大との併願校。団塊世代以降、少なくとも10数年は政経や法学部の在学生の半数は東大落ち。だから国立型で数学も得意な学生がゴロゴロしていた。また東大にしても何故か早稲田落ちが半数はいたし、英語、国語、社会3教科に関して言えば、並みの"旧帝"の学力では、政経や法はなかなか歯が立たなかったようだ。
英国社に絞ったから、下克上も実現
しかし特に有名でもない高校のごく普通の生徒が一念発起。英国社の3教科を一浪して死ぬ気でやれば早稲田に合格する。そして東大レベルの連中と肩をならべる。絵に描いたような下克上!これが数十年前の大学受験の醍醐味ではあった。
そんな早稲田も私学の雄の名を欲しいままにしてきたが、最近の受験界では完全に慶應義塾の後塵を拝していると言われている。昔から東大の併願学部として、予備校の評価は早稲田政経、慶應義塾経済はほぼ互角。しかし他の学部は理系も含め、早稲田が圧倒していた時代があったのは間違いない。
ところが他の学部もいつのまにか並走され、そして完全に抜かたのが現状。早慶両校同時合格者を見ると、比較できる学部では政経も経済に大敗。さらに法学部、商学部、文学部では8対2以上の割合で受験生な入学先に慶應義塾を選んでいる。
実力の早稲田の復活を
超マスプロが続いた早稲田に比し、慶應義塾の授業の密度の濃さ、就職の良さ、最近の学生が抱くイメージの良さなどが慶應義塾優勢の要因か。そして指摘しておきたいのは慶應義塾経済は受験科目でずっと数学が必須であったこと。また商学部も半数が数学選択で受けていること。
数学力が必要な近代経済学において、受験科目に数学がなかった。こんなところからも差がついたと、言われるかもしれない。
早稲田の大看板学部政経の大改革。数学が増えることで学部偏差値は若干下がるのは間違いない。しかし言えるのは、間違いなく数学も得意な総合力のある学生は確実に増加する。
この新生政経学部がこれからも早稲田を牽引し、キャンパスに良い風を吹かすことを期待したいし、私は必ずそうなるだろうと確信している。
もりもと なおき