バイトしたことのある息子に聞いたネカフェの実態
息子は学生時代、新宿のネットカフェでアルバイトをしていた。雑居ビルだから火災も心配だったし、どんな客が出入りするとも限らない。初めて聞いた時、できたらやめた方がいいとアドバイスしたのを覚えている。
しかし授業との兼ね合いから夜間〜深夜のバイトはベストだったらしく、2年くらい働いたという。
聞けば時給もなかなかのもんだった。
確かに様々な客が出入りしていたようで、怖い体験も数多くあったようだ。ここに書くのをはばかれる、信じられないような変なヤツも普通に来店していたとか。
でもそれも社会のある一面のシビアな現実だ。卒業後、国家公務員に奉職した息子にとったら、何よりのアルバイトになったのは間違いない。
やはり生き続けるネカフェ難民。都内で4000人とか
ネットカフェ難民ということばが生まれてすでに10数年は経つ。
仕事がなかったり、最低限のアルバイトしかないからマンションやアパートは借りれず、夜はネカフェで寝泊まりする人たちのことだ。

この時代から貧困は減ることもなく、格差社会は広がるばかり。やはりネカフェの役割は変わっていないようだ。まさに失われた20年が産み出した文化のような気がする。
週刊スパ!で特集していたが、現在、ネカフェ難民は東京都内だけで4000人もいるという。
普通は毎日、利用料金を支払い滞在するが、中には週単位で利用できる店もあるとか。
1週間1万円とか格安だから、週毎にお金を払いずっと滞在する。中には滞在年単位の客もいる。現住所がネカフェで住民票までとれる店もあるというから、驚いてしまう。
格差社会のひとつの象徴、政治も光をあてるべき
確かにネカフェは貧困層を救う大きな役割を担っている。
もしなければ都内の4000人はホームレス予備軍だ。
しかし問題なのはネカフェで長期滞在化してしまうと、そこから脱する意欲が削がれてしまうんじゃないかとの、心配だ。
酷い格差社会による貧困層は今のところ減ることはない。こうしたネカフェ難民の実態は格差社会の実態。政治家たちもぜひ覗いてみるべきだと思う。
もりもと なおき