『結婚しようよ』のヒットは散髪屋さん受難の時代だった
最近流行りの若い人のツーブロックの髪型などを見ると羨ましくなる。
暑い夏には気持ちが良いだろうなと。
昔から刈り上げはあったが、全く似て非なるものだ。
われわれの時代は長髪ブーム。今考えるとうっとおしかった。
『僕の髪が肩まで伸びて君と同じになったら、約束通り街の教会で結婚しよう』と、その昔、吉田拓郎が歌った。私の髪もご多分に漏れず、肩まであった。

肩まで髪を伸ばした男子はこの歌の影響でさらに増え、当時は散髪屋が受難の時代と言われた。
しかしみんな就職シーズンに入ると、この長い髪をバッサリと切った。面接で保守的なオヤジに好印象を与えるためだ。
ユーミンが『いちご白書をもう一度』で、
"就職が決まって〜髪を切ってきたとき〜🎵"
と歌ったが、あれは厳密に言うと、就職が決まってからじゃなく、当然面接に臨む前に切っていたのだ。
『あれ?髪切っちゃったんだ〜』と女の子に言われ、『もう若くないさ』と言い訳したのは、みんな本当だった。特に学生運動をしてた連中は。
長髪ブームのひとつの真相…カネがなかったからだ
こんな訳で団塊の世代やその下のわれわれ世代は、長い髪がファッションであり、反体制の象徴でもあった。
が、実はそれだけじゃなかった。
カネが無かったからだ。散髪代を節約したから伸びてしまい、レザーカッターで自分で刈っていたのも、長髪ブームの真相ではある。
もりもと なおき