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映画『罪の声』。新聞記者が絶望の人生に光を当てることもある

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事件記者ってやっぱりいい仕事だなぁと思った

久々に映画を観た。小栗旬が新聞記者役になり、30数年前の事件の検証をしていく。実際にあったグリコ森永事件を題材にしてはいるが、もちろんフィクションだ。

しかし迷宮入りした事件でも再度検証し深い取材をすることで、特ダネに繋がるのはもちろんだが、絶望の闇の中にいる人間に光を当て、もう一度生きる希望を見出すお手伝いができることを教えてくれた。

とてもいい映画だったし、やっぱり事件記者っていいなぁと今更ながらに実感した。

グリコ森永事件をモチーフにした深い映画だった

映画は『罪の声』。1984〜85年、日本中を震撼させたグリコ・森永事件をモチーフにした。
塩田武士原作。2016年度週刊文春ミステリーベスト10国内部門第1位、第7回山田風太郎賞受賞…などに輝いている。
グリコ森永事件ではカネを要求する脅迫電話に、テープに録音された3人の子どもの声が使われていた。

映画ではテーラーを仕事に持つ主人公(星野源)が、父親の遺品からそのカセットテープと事件に繋がる手帳を見つけ、その声の主が幼き日の自分だと知ってしまった衝撃から始まる。

そして一方で、ある新聞社の昭和の未解決事件を特集する特別企画班に駆り出された新聞記者(小栗旬)が事件の真相を追求するなかでのテーラーの星野源と出会い。

そして2人で協力し、犯人グループの脅迫テープに声が使われたほかの2人の人物にたどり着くさまを描く。

欲と憎悪に満ちた事件に利用された子どもたちの運命

グリ森事件では当時、事件の背後に暴力団、あるいは学生運動崩れの元新左翼の活動家などがいたことが推理されたが、映画もこの推理に沿った展開だ。
複雑な人間関係と欲が絡んだ中、なんの関係もない子どもまでが事件に巻き込まれていくさまを描いた。

とにかく小栗旬、星野源の職業を超えた友情が良かった。ともに本当にいい役者さんだ。

とりわけ小栗旬の新聞記者役がハマっていた。すっかり記者としてのヤル気を無くしのんびり仕事していたが、この取材でまた社会派記者としての矜持を取り戻したのだ。

記者諸君はこの映画で記者の矜持を再び思い出すべき

タイトルの罪の声…3人の子どもたちだが、中学生だった女の子は暴力団に事故死させられるという、悲惨な最期だった。そしてその弟は地獄のような人生を送っていたが、取材で行き着いた2人(小栗旬、星野源)に救われたのだ。

あと、私がかつて好きだった女優さん、梶芽衣子と宮下順子がおばあちゃん役で出ていたことに、時の流れを感じる。

グリコ森永事件の頃、ちょうど私も映画の小栗旬と同じくらいの年代で、新聞記者としていろんな事件を追っていた。
政治記者たちの権力への腰抜けぶり、忖度取材が指摘されているが、どの記者たちも駆け出しは地方支局のサツ回りからだ。
この映画を観てもう一度、新聞記者の矜持を思い出して貰いたいものだが…

もりもとなおき

  • この記事を書いた人

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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