恐ろしい数字だ。例年の同じ時期に比べた死者の数を『超過死亡』という。
普通は微妙に違うものの毎年、ほぼ一定の数だが、コロナ死が多い欧米ではこの超過死亡が激増している。そしてそれは東京でも。

異常な超過死亡の国も多く、コロナ死亡の疑いも
例えばある都市で昨年4月の死者が1000人だったのが、ことしは2000人にも増えたとする。そしてコロナで亡くなった数を差し引いても、死者は通年を大きく超える数字が統計に現れているという。
これについて実際はカウントされていないだけで、コロナで死亡したのに単なる肺炎とされ、コロナが原因での死亡にカウントされていないのではないか?との疑問だ。
NY市の超過死亡はなんと例年の4倍以上に
米国ニューヨーク市の場合、3月11日~5月2日に市内で亡くなった人は3万2107人もいた。これは過去5年間の同期間と比べると2万4172人も多く、超過死亡はなんと4倍を超えた。
ただ、NY市の超過死亡のうち、新型コロナによる死者は1万3831人、感染の疑いが高い死者は5048人。これらを差し引くと残る5293人は「新型コロナの死者」としてカウントされていないのだ。
もちろん、様々な要因はあるんだろうが、コロナでの死亡が占める割合は高いとみる向きが多い。
東京の4月の死者は千人多く、うちコロナ認定は104人
さて、東京都が6月11日に最新の人口統計を発表したが、4月の死亡者数が平年よりもかなり多かったことが分かった。
東京都によると4月の死者は1万107人で、過去4年間の平均死者数(9052人)と比べて1000人以上も多かった。公式発表だと4月の新型コロナウイルスの死者数は104人だ。コロナ以外で900人余も亡くなっていることになり、統計的には首を傾げざるを得ない数字だ。
コロナウイルスの感染が原因で亡くなった可能性もあるが、今となっては分からない。仮に超過死亡の大半が新型コロナウイルスの感染によるものなら、10倍以上も数値にズレがあったことになる。
超過死亡のデータを日本もきちんと開示すべき
欧米では超過死亡に注目が集まっており、超過死亡のデータを国が積極的に開示している。
コロナの恐ろしさと、被害の全容を明らかにするためにも、超過死亡のデータをきちんと開示すべきだろう。
東京だけで例年より月に900人余も多く亡くなるのは、極めて異例で異常な数ではないだろうか。多くがコロナだったかも。
もりもとなおき