知らなかった。3年前から東大が推薦入試をしているとは。ことしの志願状況が出ていたが、100人募集に応募者はこれまで最高の185人とか。競争率は2倍にもならないから、楽勝じゃないのか?
と思ったが、一般入試より難しいと言われているらしい。
偏差値教育の申し子のような、受験テクニックに長けた高校生はいらないらしい。
だから東大合格者の数を誇る有名な中高一貫校より、のびのび勉強してきた公立の地アタマの良い生徒が選ばれる傾向にある。
100人が目処だが、今年2月も69人しか受かっていない。
われらは偏差値世代のはしりだった
偏差値といえば、われわれ世代がその実質的スタート世代です。名古屋の中学の時は偏差値の概念はなく、高校を選ぶのは愛知県内対象の『中部統一テスト』を受け、自分の志望校内の順位、あるいは学校内順位で決めていた。
高校に入ってもまだ一般的ではなく、2年の旺文社全国模試で初めて登場したような記憶が。それでも"平均点なら偏差値50"くらいの認識で、あまり気にもせずもっぱら学内順位、全国順位を気にしていた。
私たちは河合塾模試で本格化
高校3年からは名古屋が発祥の河合塾の模試を受け始めた。当時はまだローカル色は濃く、受験者は愛知、岐阜、三重、東海3県の高校、浪人生対象だった。
受けるのは進学校の生徒だけだから模試のレベルが高いため、高偏差値を出すのは難しかった。私は平均で50超えるのがやっとだったような。
一度、数学で0点を取ったが、偏差値が45もあり驚いた。そのくらい受験層が高かったんだと思う。
だから今より偏差値は10程度は低く、ボーダーは東大60、名古屋大学57.5、徳大などの地方国立なら50弱くらい。
早稲田は政経、理工が60、同志社は55くらいだった。
平均じゃなく飛び抜けた特性が大切
他の受験者と比べるという意味では偏差値は極めて有効だが、やはりデメリットも。どうしても全教科の平均で合否の可能性が判断され、数学や物理が飛び抜けて優秀な受験生が思わぬ失敗をすることもある。
最近は理系は数学、物理、文系は英語、国語を重視するようになったが、大学は飛び抜けた適正を見逃さないようにして欲しい。
昔、東大の物理学の教授が『高3で物理、数学に格段に秀でた生徒がいると、入学が楽しみだが、どうも平均が悪く東大を落ちてしまう。日本の物理学の為にあまりにもったいない』と、話していた。
もりもと なおき