ハイソな街、武蔵小杉のタワマン襲った多摩川の氾濫
武蔵小杉と言えば住んでみたい街の常に上位に位置する首都圏の超人気スポットだ。昔からてっきり東京と思っていたが、川崎市中原区にある。
学生時代、この駅近辺に住んでる友人もいたが、何とも田舎のひなびた小さな駅で、こんなに変貌することは想像もつかなかった。


人気の秘密は都心への交通アクセスで、JRと東急がJR南武線、JR横須賀線、JR湘南新宿ライン、東急東横線、東急目黒線の5路線を乗り入れているから、便利この上ない。
都心の一部上場企業に勤める子育て中の高給取りサラリーマンに人気で、駅前にはタワーマンションが林立し、まだまだ建設が進んでいる。
まさか水害の被害に遭うとは、住人は誰も想像すらしなかった
そんな街のタワーマンションだからまさか台風による水害の被害に遭うとは、これらのマンションを求めた住人たちは考えもしなかったと思う。
しかし台風19号はこんな近代的な街にも爪跡を残した。
原因は豪雨による世田谷区二子玉川付近での氾濫が、数キロ離れた対岸の武蔵小杉まで冠水させたと言う。
恐らく普段の生活では、多摩川がこんなにも近いと、誰も思わなかったのではないだろうか。そして多摩川が氾濫するとも。

今回のタワーマンションを襲った水害は、住宅部分が浸水した訳ではない。泥水がマンション1階のエントランスに浸水。エレベーターの隙間から、地下の機械室に流れこんでしまったことだ。
その結果、マンションを集中管理する機械類が故障。それに伴い電源も喪失したから電気はむろん、水道まで使えなくなってしまった。当然、トイレも。
水、電気の喪失で生活は不可能、住人はそれぞれ避難へ
住人たちは階段を使用しているが、高層マンションのこと。ちょっとした用事でも30階、40階を上がり下りしなければならない。大量の水も運べない。
結局、生活は不可能で、大半が実家やホテルに避難を余儀なくされている。
災害に絶対的に強いと思われた高層マンションだが、思わぬところで弱点を露呈した。マンション建設では機械室を守ることが建設会社の大きなテーマになるのは間違いないだろう。
もりもと なおき