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死とは何だろうか…癌闘病し初めて体験したり思ったこと

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昨年、亡くなった石原慎太郎さんは生前、『あの世なんかあるわけねーだろ。死ぬということは無なんだよ』と言いながらも実は死を恐れ、死後の世界があることを少し期待しているフシがあったと、何方かが言っていた。


凄く良く分かる。自分も実はそんなところがあるからだ。

以前、私の癌闘病について四国放送の取材を受けたことがある。
その時に死生観について遠慮がちに尋ねられたから逆に質問した。
『毎夜、眠りに着く時、あなたは怖いかな?』と。

つまり死とは永遠の眠りにつくこと。だから本当は怖いという次元のものじゃないと言いたかったのだ。

その時は記者と自宅直ぐ近くの夕暮れの吉野川を眺めながら話していたこともある。
だから、

『私が死んでもこの吉野川の雄大な流れは明日も同じなんだ。自分がいなくなっても森羅万象、何も変わることはない。それが少し悔しいかな』と。

私は抗がん剤の予期せぬ副作用で当初、ほとんど危篤状態に陥ったことがある。自宅で倒れた時、なんとも言えない心地良さを感じそのまま眠りたかった。
妻の機転で救急車で搬送され、大学病院の緊急治療で辛うじて助かったのだ。

そして病院のICUから8日ぶりに病棟に移った日、胃からの大量出血でまた意識が薄れ、かなり危険だったことがあった。

私のベッドを取り巻く大勢のドクターや看護師さんの話し声が次第に遠のいていく中、『このまま死ぬんだろうな…』と、きちんと死を意識した。
この時も間一髪、ドクターたちに救われたが、死への恐怖はなく、睡魔に似た気持ち良ささえ感じたのだ。

もし言われているような死後の世界があれば、両親や先に逝った親友たちにも会える。虹の橋ではペットたちも待っている……
と、考えると怖くはないんだろう。

そんな話しは別として、癌での体験から、死ぬということはそんなに怖くはないというのが今の私の実感だ。
それよりも私は輪廻転生を信じる部分がある。今の自分は無となっても、また違う人種や人格となりどこかで生まれ変わり、前世を知らない新しい人生が始まるんじゃないかと。

そして今度産まれてくるのはこんなに平和ボケした国じゃなく、もっと悲惨で過酷な環境にある国かもしれない。
その方が死ぬことを考えるより遥かに怖い。

もりもとなおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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