逮捕、勾留中も、事情に応じて勾留停止されることも
警察に逮捕、勾留中の被疑者が稀に勾留執行が一時停止され、娑婆に出ることが可能となるケースがある。
大抵は親の葬儀が多く、親不孝者にせめて最期のお別れをできるよう、検察が申請、裁判所が認めることがあるのだ。
葬儀以外では4年前、暴力団組員が娘の結婚式に出席したいという願いを裁判所が聞き入れ、5時間半も勾留停止を認めたことがある。
当然、賛否、様々な意見が出たが、私は裁判官の粋なはからいだったと思う。
母親がクルマに置き去りにして死なせた女児の遺体と対面
さて先日、高松市で6才と3才の女児2人を母親が15時間も乗用車に置き去りにし、熱中症で死なせるという悲惨な事件があった。
母親の主婦竹内真理亜(26)が保護責任者遺棄致死の容疑で高松北署に逮捕、送検されたが、子ども2人と最期のお別れをしたいという願いが認められ、3時間だけ勾留執行停止となった。
竹内容疑者は弁護士に付き添われ葬儀が済んだ後、2児の遺体と対面した。
果たして竹内容疑者はその時何を思ったのか。きちんと2人の顔を見ることができたのだろうか。

子どもを15時間も車中に閉じ込め、母親は男の部屋に
これまでの調べでは、竹内容疑者は2日午後9時ごろから3日午後0時40分ごろまで、高松市内の駐車場に停めたクルマに長女、次女を置き去りにし、熱中症で死なせた疑い。
2日夜は1人で酒を飲みに出て飲食店をハシゴし、3軒目で知人男性と合流。明け方から昼までその男性の部屋にいたらしい。
この男性は竹内容疑者が子どもをクルマに置き去りにしていることは、知らなかった。

家族を裏切った代償は余りに大きかった
竹内容疑者は独身ではなく建設関係の会社を経営する夫がいる。本人もネット広告なので小遣い稼ぎをしていたようだ。
夫はこの日はこれまでのように子どもと実家にいるものと、思っていたようだ。実家の母親らも、もちろんそんなことをしていたのは、知らなかった。
結局、夫への裏切りがかわいい子どもも死なせることになってしまった。
もりもとなおき