ここは踏ん張りどころだ、毎日新聞
毎日新聞の経営は相当、しんどそうだ。幹部だけで200人もの希望退職を募っていたが、第一弾として67人が勧奨退職に応じたことを、ダイヤモンドが報じている。

さらに人件費の削減か、最終版の締め切りをなんと30分も繰り上げることを決めたようだ。
これまでの降板間際のニュースは入らなくなる可能性が高く、朝日や読売と比べこの30分間の差は大きくなるかもしれない。
経営難に対応するために人を減らす…どんな優秀な記者を抱えていてもやはり、他紙と比べ劣勢となるのは否めない。
毎日にはぜひ踏ん張っていただきたいが、学生時代にも存続が危ぶまれることがあったのを思い出す。

毎日新聞潰してなるものか!とスター記者が書いた時代も
1976年頃、毎日新聞が経営危機に陥った時、社会部のスター記者だった内藤国夫は『毎日新聞、潰してなるものか!』という連載を社会面に連載した。

ずいぶんとナルシストなタイトルだったが、新聞記者志望の早稲田の学生などそれに心熱くして、みんな駅売の毎日新聞を買って大学に来ていたものだ。
もちろん私も影響は受け易く、給料なんか安くてもいい。ボーナスなんぞ出なくとも平気だ。新聞界の王者の中の王者(自社をそのように紹介していた)の毎日で仕事をしたいと、深く願ったものだった。
しかし…経営危機は相当、深刻だったようだ。新社騒ぎもあり、残念ながら4年生の時は採用中止とあいなった。
しかし以来、毎日新聞も頑張ってきたが、やはり経営面で朝日、読売に遠く及ばず、苦境は続いてきたようだ。
待遇面悪くても、たまに目を剥く特ダネ…それが毎日だった
われわれ現役の時も、毎日新聞は記者たちの待遇面は悪かったが、たまに目を剥くような特ダネが紙面に踊りその存在感を示した。
正に"家貧しくして孝子あらわる"。特ダネとさっぱりした紙面構成にファンは大かった。
新聞経営で最も重要なのは、発行部数だ。部数が多いほど広告効果があるからだ。
例えばバブルの時代は景気が良いから企業は読売、朝日、毎日の三社に広告を出したとする。
しかし景気が悪くなると広告宣伝費を削る企業は多く、3社に出していた広告を2社に減らすとする。
どうしても部数で朝日、読売に大きく負けている毎日新聞はハンディがあった。
日本の新聞ジャーナリズムのためにも、ここは踏ん張って欲しい。
もりもと なおき