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沖縄と吉野川可動堰。住民投票の力と一歩違えば失敗の危うさも感じた

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50%条項が逆に仇となった可動堰賛成派

2000年1月、紆余曲折を経て実現した徳島における吉野川第十堰の可動堰化計画を巡り行われた徳島市の住民投票は、投票率50%を切ったら開票せず、投票用紙は破棄するという、反対派にとって極めてハードルの高いものだった。

 

だから可動堰化計画に賛成市議らは、賛成の意図を住民に説くより、投票率を50%以下にすることが目的化。
投票ボイコットを呼びかけたことが逆に反対派に火をつけた。

住民投票条例まで定め、市議が何を言ってるんだと。

実は私は当時、人を選ぶ選挙でもないからそんなに盛り上がらず、放っておいたら50%を大きく割り込むと予想していた。周りもそんな人が多かった。

ところがこの賛成派市議らの動きや発言以降、様相が変わってきた。一部市議らが投票に行かない運動をすればするほど俄然、関心が高まってきたのだ。

私はマスコミ出身の人間だから、市議が余計なことを口走り、ニュースになった時点で勝負あったと分かった。

 

森さんの『無党派は寝ててくれ』と同じに

それ以前、森喜郎総理が『無党派層は選挙に行かず、家で寝てくれたらいい』との発言が炎上。
本来、投票に行くつもりもなかった無党派層が大きく動き、自民党が惨敗したことがあった。

それと同じになることは容易に想像できた。

かくして投票率は55%、『可動堰反対』はなんと90%

以上にも。国土交通省も断念せざるを得ない状況にに追い込まれた。

全県でできて良かった沖縄の住民投票

一昨日の沖縄県の住民投票。知事選挙の結果を見ても反対が圧倒するのは目に見えていたが、途中、多くの人たちが心配したのが住民投票ができるのか否かと、言うことだった。

なぜなら沖縄市や宜野湾市の市長らが、自治体として参加しないなどと言い出したからだ。
この背景には自民党国会議員の秘書らが暗躍したといわれたが、よけいに反対県民の怒りを買った。

かくして県議会では賛成か反対だけでなく『どちらでもない』との回答も加え、三択とすることで全ての自治体が参加することになった。

どちらでもないはわずか5%しかなく態勢に影響はなかったから、本当に実現して良かったと思う。

住民投票の怖さ。吉野川可動堰化計画では賛成派市議たちが投票ボイコットを呼びかけるという動きをしなかったら、間違いなく投票率は50%を割り込み、市民の反対の声は陽の目を見なかっただろう。

 

沖縄の今回の投票も、三択を採用していなかったら、全県投票はなかったかもしれない。

住民投票のもつ力の大きさと危うさをひしひしと感じた二つの住民投票だった。

もりもと なおき

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森本 尚樹 早稲田大学卒。元新聞記者。約20年間、県議会議員を務めました。現在は福祉関連の会社の参与と在京シンクタンクの研究顧問

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