ここまでひとつの自治体の民意をいとも簡単に踏みにじる政府とはいったいなんなんだろうかと思う。
4年前の知事選挙では、辺野古の海の埋め立てはさせないという翁長知事が初当選。沖縄の意思を沖縄県民が明確に示した。
そして翁長さん後継の玉城知事を県民は圧勝という形で誕生させ、さらに強い意思を示した。それからわずかに2ヶ月半しか経っていない。
米軍普天間飛行場の辺野古移設工事。沖縄の人たちが強く反対する中、安倍政権は、政府は埋め立て予定海域への土砂投入をついに開始した。
沖縄を愛する本土の人間として、世界一美しい海が泥に濁っていくのを見て、悔しく暗澹たる気持ちになっている。
国民の56.5%もの人が反対
このまま埋め立てが進めば元の美しい、沖縄の財産である美しい海を取り戻すのは不可能だ。とにかくやめろ!と言いたい。
沖縄は2度の知事選挙で示された民意をさらに強固なものにするために、来年2月には県民投票を行うことも明らかにしている。
なぜそれまで対話ができないのか。対話をするふりをして着々と準備を進め、強行した政府には、行政の誠実さや正義というもをかけらも感じない。
県知事選挙という最大の機会で民意を示したことを、圧倒的な力で踏み潰す。こんな政府は戦後無かった。
きょうの朝刊にも世論調査が出ていたが、普天間基地移設先、辺野古の埋め立てを開始した政府の姿勢に対し、56.5%もの国民が反対、支持はわずか35.3%だった。
アメリカメディアも速報
アメリカの有力なメディアも日本政府の強引なやり方には驚きを持って報じている。
米有力紙ワシントン・ポストは埋め立て区域に土砂が投入された約20分後、AP通信の東京発の記事を用いて「地元の激しい反発にもかかわらず、日本政府が沖縄の米軍基地移設地で埋め立て工事を開始」と速報。
さらにニューヨーク・タイムズも、玉城知事が記者会見で「県民の民意を無視したやり方に激しい憤りを禁じ得ない」と、政府の強硬姿勢を強く非難したことなどを。
ABCテレビは、「米軍基地が集中する沖縄県民は県内移設に反対し続けてきたが、日本政府は辺野古移設が『唯一の解決策』との姿勢を崩していない」などと報道した。
海底地盤の問題などが噴出してきたから、完成には相当な時間と莫大な予算がかかることは確実だろう。
もりもと なおき