予想通りの裁判での答えだった。安倍前首相、二階幹事長、菅首相には恩返ししたのと同時に、逆に3人は河井克行被告に借りができたのではなかろうか。

自民党からの1億5000万円、買収には使わなかったと証言
一昨年7月の参院選広島選挙区をめぐる大規模な現金買収事件で、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(58)の東京地裁での公判。弁護側の被告人質問で河井被告は『生涯に渡り選挙に立候補することは致しません』と議員を引退することを誓った。
そして注目の自民党本部からの河井被告の妻、河井案里元被告の参院選挙で、陣営に選挙資金として提供された1億5000万円の使途への質問が。
これには一切、買収には使わなかったと、この巨額マネーの一部が買収資金に流れたのではとの疑惑を否定した。
同時に買収資金の原資について河井被告は、『私の手元にあった資金から支出した』と証言。1億5000万円は活動用の会報印刷や党勢拡大などに使ったと、語った。
党からの巨額マネーの秘密は暴かれることなく
1億5000万円もの資金を、案里元被告の後援会報などに使ったとはにわかに信じがたいが、この疑惑はこれ以上、追及されることはなくなった。
ある意味当時の安倍首相や二階幹事長、菅首相は何事もなく1億5000万円の問題が終わったことに、内心はホッとしたのではないだろうか。買収資金には回っていないと主張した河井被告には、逆に借りができたかもしれない。
何度も言われてきたがこのカネのうち1億2000万円は政党助成金、即ち国民の税金だ。最も知りたかった部分については検察の捜査も進まず、なんとも釈然としない不快感が残るものとなった。
裁判終了後の身の振り方が決まっているのかも
もう選挙に出ないというより、出ることはできない。こんな人物にだれも投票しないだろう。
ずっと無罪を主張し、裁判を長引かせてきたこの男がここにきて心変わりしたのは、あくまで想像だが、自民党幹部との間で何か約束ごとでもしてもらったのかもしれない。
例えば裁判を終え、刑が確定後の生活を保証する身の振り方とか。
類稀な選挙違反だった。せめて実刑判決を強く望みたい。
もりもとなおき